2014.01.01
オンダの提供サービスのご紹介<第二回 特許調査・特許情報サービス>
(パテントメディア2014年1月発行第99号掲載)
営業企画部 部長 佐藤隆
先号に続きオンダ(オンダ国際特許事務所・株式会社オンダテクノ)の知的財産に関するサービスをご紹介いたします。今号は、「特許調査・特許情報サービス」です。
オンダでは、早くから特許調査の重要性に着目し、20年以上前に特許調査専門部を創設しました。この調査部門は、ご依頼頂いた出願案件に関する調査のみならず、技術動向調査や先行技術調査・パテントクリアランス調査などの出願前調査、公知資料や無効資料調査などを専門に行う部門としてスタートしました。
近年では、この特許・技術情報の収集分析能力を生かし、企業様の新製品や新規ビジネスの開発支援、特許網を構築するための分析やコンサルタントも手掛けるようになり、現在の「知財戦略支援部」へと業務の拡大を図って参りました。
特許調査サービスと特許情報(解析・分析)サービスの主要メニューは、次の通りです。
特許調査サービス | 先行技術調査 |
---|---|
権利調査 | |
無効資料/公知資料調査 | |
テーマ調査・SDI調査 | |
パテントファミリー調査 | |
非特許文献調査 | |
外国特許調査<注目1> |
特許情報サービス | 技術系統図型マップ<注目2> |
---|---|
統計グラフマップ | |
一覧リストマップ | |
時系列流れ図 | |
分布図・ツリー | |
技術的マトリクス | |
カラー要約書<注目3> |
残念ながら、紙面の都合上、メニューの全てをご紹介できないので、以下にオンダの「特許調査・特許情報サービス」の特徴と併せて、最近注目されているサービス(注目1~3)をご紹介します。
オンダの特許調査・特許情報サービスの特徴
その1 精度が高く、ノイズの少ない調査
特許調査においては、大量の特許・技術情報から対象範囲を絞り込み、調査目的に適った文献を的確且つ効率的に抽出する必要があります。この調査範囲の絞りこみ・抽出には、少なからず経験の積み重ねが必要となります。調査の世界において、個々の調査スタッフ(サーチャー)の技量に負うとされるのも、このような理由によるものでしょう。
オンダでは、10名の調査スタッフにより、テーマ調査だけでも年間に600件以上行い、豊富な経験を有しております。加えて、オンダでは、テーマ調査における検索式を全てデータベースに蓄積して、調査スタッフの経験・能力の共有化を図っています。これにより、過去に実施した検索式のキーワードの類義語展開が誰でも再利用でき、スタッフ個々の能力差を補って平準化が図られるようになっています。また、新たな調査時には、必ずシソーラスを用いて類義語展開をさらに追加・発展させるようにしています。
オンダでは、取扱い業務の品質の維持・向上を図るために、かつてはISOの9001の認証を受けていました。現在では、それを発展させたOMS(Onda Management System)という独自の品質管理システムを運用しています。そして、調査業務における品質を担保するために、オンダでは調査検索式の多面度3以上という独自の評価基準を設定しています。これは、検索式の作成にあたって、概念の異なるIPC・FI・Fターム・キーワードを用いて、これら単独或いは組み合わせを最低限3以上は行うとするものです。ちなみに、品質の検証のために、多面度の実施数についてデータを採っていますが、平均実施数は10となっています。これにより、精度が高くノイズの少ない調査結果を実現しています。
その2 特許事務所ならではの一歩踏み込んだ調査報告と業務連携
一般の調査会社とは異なり、特許事務所を母体として提供する調査サービスなので、弁理士の指導・監督下で「新規性・進歩性」や「権利の属否・有効・無効」などの判断を踏まえながら、検索式の立案から調査・抽出作業を行います。また、報告書においても、調査結果(抽出公報)を「特許請求の範囲」や技術内容の重要度に応じてランキングや層別したり、「特許請求の範囲」の構成要素と公知資料に開示された技術要素とを対比表に判りやすくまとめたりして、ご報告します。 また、調査結果に基づき、出願届出作成から出願手続きへの移行、さらには鑑定や各種事件対応へと特許事務所ならではの連携が可能です。 なお、調査対象は国内に限らず、外国特許調査も承っています。外国特許調査については、知財戦略支援部だけでなく、案件によってはオンダに在籍する米国特許弁護士や中国弁理士、外国出願支援スタッフの協力を得ながら、諸外国の特許事務所等に依頼して行う場合もあります。
<注目1>なお、オンダでは、一昨年末から外国特許調査のデータベースとして「THOMSON INNOVATION」(※)を導入しています。同データベースには、DWPI(※)(47の特許発行機関のファミリー情報と独自の英文抄録)に加え、90ヶ国以上の基本コンテンツと日本・中国・韓国のアジアオプションが含まれています。パテントファミリー情報が充実している上に、非英語圏の特許も英語で抄録が作成されているので、世界の特許情報を概観するのに最適であると言えます。 (※)「THOMSON INNOVATION」「DWPI」はトムソン・ロイター社の商標または登録商標です。
その3 報告書のバリエーションとWeb/電子化対応
調査報告においては、経験豊かな調査スタッフが、保有する多種多様な調査ツールや加工ツールを用いて、お客様のご要望に沿った加工やデータ形式に整えてお届けします。
例えば、SDI調査においては、その調査結果を検索機能付きのブラウザ表示可能な形式で提供いたします。また、限られた技術分野における特許情報を絵解きで取り出せるように加工し、個別テーマごとにホームページを作成してお届けすることも可能です。
なお、特許情報(解析・分析)サービスにおいては、お客様のご要望に応じた最適な方法で分析し、視覚的に効果のある出力形式でお届けすることが可能です。オンダでは、富士通様の特許分析ソフト「ATMS Analyzer」を導入しております。3万件までの特許情報を様々な角度・切り口で分析・加工することが可能なので、業界動向調査や自社の知財アニュアルレポート作成などで、大量の特許情報を概観する必要がある場合には、このコンピュータ分析の利用が便利です。但し、コンピュータ分析と言っても、ポンと入力してパッと出るわけではなく、やはり適正な出力を得る為には、日頃の調査の経験が重要となります。たとえば、出願人名やキーワード・分類なども案件毎で不統一だったりするので、それらの統制・統合を図ったりする必要があります。
なお、1000件オーダー程度の母集団の特許情報であれば、経験豊かな調査スタッフが直接内容を確認しながら分析(いわゆるマニュアル調査)します。コンピュータ分析では見落とされがちなミクロな情報も見落とさず分析しますので、実施が迫った競業者・競業技術分析などにはお勧めです。調査スタッフの腕の見せどころです。
<注目2> オンダでは、「流れ図」「マトリクス」「ツリー」「一覧リスト」など、お客様の要望に応じて様々な形態のマップに加工してお届けします。中でも、オンダで最近お勧めの特許情報の加工形態が、「技術系統図型マップ」というものです。課題技術の構成をツリー状に展開すると共に、該当構成部分に調査で抽出した関連特許をレイアウトしていくものです。このマップですと、技術課題毎の関連特許が一望でき、他社特許対策や自社特許網の構築・強化を効果的に行うことができます。
<注目3> さらに、オンダのロングセラー商品が、「カラー要約書」です。これは、1件の特許をA4用紙一枚の中に、絵付・色付きで判りやすく解説したものです。お客様から該当案件の番号さえ教えて頂ければ、オンダで加工してお届けします。
カラー要約書一枚の用紙に簡単に解説されているので、内容が一目瞭然で把握できるものです。
自社の特許であれば、会議や忙しい経営者層への説明に利用できます。また、日頃特許に馴染みの無い営業マンにも理解し易いので、営業時に持参頂くことで、自社製品の宣伝に利用したり、侵害品情報の入手に役立てたりして頂くことが可能です。
また、上記のSDI調査やそのWeb加工と併せてご利用頂くことにより、膨大な特許情報の内、重要特許についてカラー要約書を併用することで、広く周知・展開することも可能です。
めずらしい利用方法としては、大学・研究機関等における特許の流通カタログとしてご利用頂いている例もあります。
派生サービスのご紹介
冒頭でもご紹介いたしましたが、オンダの知財戦略支援部では、特許・技術情報の収集分析能力を生かして、新製品・新規ビジネスの開発支援や特許網を構築するための分析・コンサルタントも手掛けております。
「アイデア創出活動支援サービス」では、<注目2>でご紹介した「技術系統図型マップ」を活用して、アイデア創出活動のお手伝いをしております。まずは、マップから、自社特許のポジションや特許網の現状認識を共通にし、その上でマップに表された既存技術を背景に新たな技術アイデアの創出を行います。オンダでは、調査スタッフの外に、弁理士・コンサルタントが参加するブレーンストーミングを開催するなどして、アイデア創出活動をサポートします。この時、オンダオリジナルのアイデア出しシートや行き詰まった時の発明展開マニュアルなどを使用して、活発な創出活動をサポートします。特許事務所ならではの、発明発掘・提案の経験が発揮されるところです。
なお、ブレーンストーミングの結果については、オンダで新たな技術系統図型マップや、発明考案届出書などにまとめて報告することも可能です。
知財戦略支援部が、提供するサービスで近年特にご依頼が多いのが、「特許情報活用実務研修」です。先号でご紹介しましたように、オンダでは、様々な教育プログラムをご提供しております。中でも、知財戦略支援部は、プログラムの提供実績が豊富です。「特許情報活用実務研修」の概要は、入門編として特許公報の読み方などを技術者に紐解く「特許知識概論」に始まり、「特許検索基礎」、「パテントマップ活用」、「特許分析ツール活用」、「特許ポートフォリオ構築」の5段階からなっています。お客様のご要望に応じ、いずれかのステップのみをご利用いただくことも可能です。基本プログラムをそのままご利用いただくことも可能ですが、受講者の関心・習得効果を考えますと、お客様の関係技術分野を題材とするようなカスタマイズをさせて頂くことをお勧めしています。
今回は、特許調査・情報サービスについて、ご紹介いたしましたが、ご縁あってご用命頂けましたら、幸いです。
特許調査・特許情報サービスについてのご要望・お問い合わせは、各オフィスの以下の担当者まで気軽にお寄せください。