【社内活性化の原点】売上最大経費最小|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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【社内活性化の原点】売上最大経費最小

(パテントメディア 2010年5月発行第88号より)
会長 弁理士 恩田博宣

1)不景気報告

一特許事務所の不景気に関する報告をしたいと思います。当所への今回のサブプライムローン不況の影響は、2009年の2月から始まりました。その影響は非常に深刻なものでした。特許出願件数減が例月の50%を切るようなところまで、落ち込んだ月もあったのです。その他の業務も大幅に減少しました。10月までは一進一退で業績は低迷しました。それを何とか支えたのが中間処理(意見書、審判等)の業務の多さでした。12月に至り、年度末の出願目標件数達成のための処理だと思われるのですが、徐々に出願件数が戻りました。しかし、以前の状態にはなっていません。

日本全体として、2009年の特許出願件数が39万件から、30万件を切るところまで落ち込んだのですから、平均的には25%もの出願が消えてなくなったわけです。特許事務所受難の時代といえましょう。
今後、特許事務所の合従連衡が始まるのではないかと思われます。当所も心を引き締めて、生き残りを図らねばなりません。

2)京セラ経営理念

前回まで2回にわたり、QCの勧めを書いてきました。再び京セラの経営理念を1項目ずつ取り上げ、恩田流のコメントをさせて頂きたいと思います。今回は「経営12か条」の5項目の「売上最大経費最小」について述べさせていただきます。
京セラの創始者稲盛和夫さんは「会社経営は一般的には大変難しいものだと思われているが、この経営12か条を守ってもらえば、京セラ程度の経営はできます」と言っておられるのです。その稲盛さんは、このたびJALの会長に就任されて、無給でその再建に従事されることになりました。きっとJALは数年内に立ち直ることでしょう。われわれ零細企業の経営者から見れば、神様にも近い京セラの経営だと思われるのですが、この12か条を守れば近づけるというわけです。わずかでも京セラの経営に近づきたいものです。

3)売上最大経費最小(その1)

京セラの経営理念では、「売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える」ことは、経営の要諦であるというのです。副題は「入るを量って、出ずるを制す。利益を追うのではない。利益はあとからついてくる」となっています。
利益を上げようとするのではなく、売上最大、経費最小を追い続けることによって、利益はついてくるという意味だと思います。企業が適正な利益を上げ、健全に発展して行くのに、最も基本とすべき理念だといえます。

それは経営に携わる誰もが少なくとも潜在的には分かっていることです。しかし、現実には多くの経営者、特にわれわれのような中小零細企業の経営者は、できる限り税金を払わなくても済むように、ボーナスをたくさん支払ったり、経費を余分に使ったりすることがしばしば行われます。
利益の約50%を税金として、もって行かれるのですから、「その分を従業員に分けてやりたい」、「従業員の福利厚生のためにもう少し使いたい」と思うのはごく自然の心理だといえます。しかし、このように考えると、経費はボーナスや福利厚生費として、どんどん膨らみます。利益は限りなくゼロに近づきます。そうしても順調に事業が推移しているときはいいのです。従業員もたくさんのボーナスが得られ、手厚い福利厚生に満足でしょう。しかし、所内の余裕資金、すなわち、内部留保は貯まっていきません。今回のような不況に遭遇して、十分な収入がなくなると、大変です。取り崩して支払う金がないからです。
いきなり、減給やボーナスカット、さらには、人減らしへと進まねばなりません。これではやはり真の経営とはいえません。
「利益を上げできる限りたくさんの税金を払う」ことの重要性が、今回の不況で身にしみて理解できました。
「できる限り税金をたくさん納めよ」という当所の経営コンサルタントの教えを観念的に理解し、本当の訳もよく理解できないままでしたが、その教えを忠実に実行して来たのです。そのため多少の蓄えが事務所にはできていました。今回の不況で業績は急降下しました。そして、利益は上がらないばかりか、赤字を覚悟せざるを得ない状況になったのです。しかし、ボーナス時期に至っても、対前期比ボーナスの絶対額を減らすことなく支給することができたのです。もちろん、過去の蓄積を取り崩すことになりました。
筆者の独断ですが、従業員は業績の悪い中、まあまあの額のボーナスが支給されたのですから、安堵したことと思います。
すなわち、税金をたくさん払い続けるということは、その半分の額が内部留保の形で所内に蓄積されていくことになります。年々その額は増えていきます。それが今回のようなパニックともいえる大不況に陥ったとき、役立ったのです。初めて真実を理解できたように思います。

当所ではいかなる不正もないように、きちんと経理を実行しています。しかし、経理を正確にやればやるほど税務の調査は厳しくなります。大勢の税務職員が来所して、3日で終わる予定を1週間に伸ばしてでも、修正申告すべき事項を探し出すのです。
9月20日決算、ボーナス支給9月25日。当然のことですが、9月20日以前にボーナス額を確定し、誰にいくら支払うかが決められていなくてはなりません。それはよく理解していますので、9月18日には、各従業員に対する振込み額を銀行に対して通告してあったのです。しかし、税務署は「各従業員全員に対して、いくら払うかをそれぞれ通告してなければいけない」「そうでなければ、経費として認めない」というのです。銀行にどの従業員に対していくら振り込むかを通告した時点で経費として確定していると思うのですが。税務署は1人1人に聞いて回ったのです。幸い18日には各部の部長を介して、誰にいくら支払うかということは、全員に通告してあったものですから、税務署も認めざるを得ませんでした苛斂誅求というのはこういうことでしょうか。そこまで杓子定規に追及する必要があるでしょうか。今までは銀行に対して各人の振り込み額を通告しておきさえすれば、問題になることはありませんでした。
税務行政もこのような態度ですので、税金を納めるよりは「従業員に支払った方がいい」という感情が起こるのも無理はないといえます。

4)売上最大、経費最小(その2 アメーバ経営)

当所の売上最大について、説明したいと思います。アメーバ経営(パテントメディア社内活性化の原点27)でも説明しましたが、当所では部門長と所長がその期が始まる前に、その年の売り上げ目標を決めます。部門長はできる限り少なく目標を立てようとします。所長は色々理由をならべて、目標を上げようとします。折り合いがついたところで決定されます。どうしてもこのように決めた目標は低めにならざるを得ないものですから、所長はこのようにして決められた全体の目標に、さらに、上乗せして、チャレンジ目標というものを決めます。各部門長はその両目標に向かって1年間頑張るのです。

マネージメントの優劣は自然に出てきます。達成できる部門、できない部門が生じます。もっぱら、達成度に応じたボーナスの配分、定期昇給の配分が決められます。
そして、毎月、その月の予定採算表というものが、部門ごとに作られます。それには売上予定いくら、人件費を除く経費いくら、何時間使うか、時間当たりの付加価値はいくらか、を決めます。その目標に向かって1ヶ月の仕事をするのです。
各月の初めに前月の業績を報告する経営会議が開かれます。そして、目標達成状況について報告が行われます。どうして目標が達成されなかったのか、何が原因で好業績を得られたのかが、達成した数値とともに発表されるのです。未達成のときはその原因について、特に所長、会長から鋭い質問が飛びます。自然になんとしても目標を達成しなければという配慮が働くことになります。
このアメーバ経営が実行される前と、されてからでは目標の達成度合いは大幅に上がったのです。売上最大経費最小に大きく貢献したのです。

もちろん、このアメーバ経営を実行するには、生ずる売上、経費を公平に各部門に配分しなければなりません。一つの売上が生じたときに複数の部門で稼いだ場合には、それを正確に各部門に配分する必要があります。その事務作業は大変です。1人の従業員が複数の部門のために出張したようなときには、わずかな出張費を複数の部門に案分する必要があるからです。そのための人件費も馬鹿になりませんが、全体としてみるとき、確かに売上最大経費最小に大きく貢献していることが分かります。

5)売上最大、経費最小(その3 売り上げ目標の決定)

「売上最大」で興味ある話題があります。前項で述べましたように、所長がその期の売上目標を決めるに際して、各部門長と話し合います。所長はできる限り目標を引き上げようとします。部門長は上げれば上げるほど厳しいわけですから、種々の理由を挙げて「これが限界です。これ以上を求められると、初めからギブアップとなり、やる気が出ません」等と主張します。所長も頑張りますが、適当なところで折り合いがつくのです。それが通常目標です。
しかし、所長は通常目標に対して、さらに10%程度上の目標をチャレンジ目標として決めるのです。すなわち、2つの目標が設定されるのです。チャレンジ目標が達成されたときは、「臨時ボーナスを出します」ということになっているのです。
今回の不況では、とてもチャレンジ目標を達成することはできませんでしたが、不況突入までのほとんどの期において、そのチャレンジ目標が達成されたのです。未達の期の方がはるかに少なかったのです。
各部門長が自分たちの力量を、いかに控え目に見ているかが分かります。達成できない恐怖が目標をその部門の真の力量以下に設定する動機になっているのです。
従って、上意下達で一方的に決められる目標の場合はともかく、チャレンジする側も参加して、決められるところのあらゆる目標が、このように控え目に設定されることは間違いありません。そこで当所の所長がやったように、通常目標と上位下達で決められるチャレンジ目標の2つを決め、それぞれに差のあるインセンティブを与えることが、高い目標を達成するよい手立てになると思います。

6)売上最大、経費最小(その4 QCサークル活動)

次に経費最小について言及したいと思います。当所の経費最小は例えば、所長、会長といえども、グリーン車には乗らないとか、急ぐとき以外はタクシーを使わないとか、昼休みに照明を消すとか、パソコンの電源を切る等の経費節約はやっています。
しかし、何といっても節約額からいっても大きいのは、QC活動による節約効果です。何回も当所のQCについては述べましたので、重複するところがありますが、経費最小という観点から見てみたいと思います。

(1)消耗品の節約

消耗品のうち文房具は、市内の1件の文房具屋さんから買うようにしていました。多分、毎月の購入量が結構な額に上るものですから、それなりにリーズナブルな値段にしてもらっていたと思います。取引は10年以上続いたと思います。しかし、総務部がQC活動で消耗品の節約と宅配便の節約という課題を取り上げて活動したのです。そうしたところ、文房具はインターネットで選択して買い入れると、何十%も節約できることが分かったのです。宅配便は各社と値段交渉をして、その目的に応じて会社を使い分けると、これまたとんでもない節約ができることがわかったのです。外国への書類発送も急ぐ場合のやり方も大幅な節約を果たすことができたのです。両方合わせると月8万円以上の節約となったのです。

(2)人件費の節約

前回の第87号のパテントメディアで述べましたように、国際管理部外内グループは6ヶ月の活動で、6人でやっていた仕事を5人でできる体制をQCで実現しました。拒絶理由通知、拒絶査定、審査請求の3つに焦点を合わせ、システム開発部の協力も得て、すさまじいまでの対策を打つことによって、節約額年間約600万円を実現したのです。

(3)イントラネットによる節約

かなり前になりますが、国内管理部は所内から殺到する電話による質問に答えるのに忙殺され、残業が日増しに増える中、これを解決するQC活動を行い、質問電話を95%カットすることに成功するという事例がありました。質問は外部からのものではなく、内部、特に明細書部門のスタッフからの質問なのです。お客様ごとの取決めや審査請求の時期はどうなっているか、分割出願のチェックリストはどこにあるか、そのお客様の包括委任を受けているかどうか、名義変更の様式を教えて欲しい、等々数限りなく朝から晩まで質問の電話が入るのです。この質問を全て書きとめ分類して、その答えを全てイントラネットに収録したのです。そして、「質問があるときはまずイントラのホームページを見て、答えが得られないときにのみ電話をください」と、所内に広報したのです。そうしたところ電話による質問が95%もなくなったという訳です。このような対策を打たなければ、忙しいという口実で国内管理部の人員が際限なく増やされたことでしょう。国内管理部で使う時間が少なくなった分だけ計算した節約額が年間約200万円に達しました。
その後法改正があったり、新しいお客様が増えたりしますと、また、国内管理部に対する質問が増えてきます。2年後にまた同じQC活動が行われました。今度の節約額は大したことありませんでしたが、同部門の人が増えることはありません。3回目のQCが行われて以降は、QC活動の最後の工程で行われる歯止めにより法改正や顧客増に対する対策が行われることになりました。

(4)未集金の回収

外国の依頼者からの支払いが滞ることがあります。日本国内と異なり、回収は大変困難なのですが、通常では何回もリマインダーを発送する以外にいい方法はありません。しかし、つい1年前に国際管理部経理グループはこの問題をQCで取り上げました。そして、われわれの方に問題はないかという点に着目しました。例えば、こちらから外国の依頼者に送付する請求書に、当所の整理番号のみしか記載されていなかったのを、相手方整理番号、発明の名称、特許庁の出願番号等を記載するようにしたのです。そうしますと、劇的に売掛金の総額が減るという成果が上がったのです。よく考えてみれば、それには合理的な理由があります。すなわち、こちらの事務所の整理番号だけしか記載してなければ、相手方はその番号を頼りに自分のところの番号を探し、特許庁の出願番号を探し、さらに、正しいかどうかチェックしてからしか支払いの手続きができないのです。自然に支払いが遅れることになります。もちろん、悪質な未払いがないわけではありません。しかし、支払いが悪いのを、相手方のみのせいにしないで、こちらに問題はないかと発想したところに素晴らしさがあったのです。なんと未払いの減少額は1,000万円をはるかに超えた額になったのです。

(5)指示書チェック時間の短縮

海外からの審査請求や審判請求、年金支払い指示等現地からの全てに指示に従って、手続きを進めるとき、書類が出来上がって最終チェックのとき、現地からの指示書を取り出して、確実にその指示があったかどうかを確認する必要があります。そうしないと、指示のない手続きをしてしまう可能性があるからです。この確認作業は非常に大変です。なぜならば、書類が出来上がりチェックの段階になると、包袋又は電子包袋の中の海外からの指示書を見つけ出さなければならないからです。それがQC活動によって、システム開発部との協力の下、瞬時に指示書を探し出せるようにしたのです。チェック時にクリック1つでその書類のコピーが画面に現れるようになったのです。簡単にチェックができます。この節約額は大きくはありませんが、年間数十万円に上りました。

(6)図面作成時間の短縮

図面部は特許明細書に必要な図面や意匠図面を3次元CADソフトにより作成しています。同じ線を作図するにも、各図面担当者によって、使う機能が異なるのです。従って、同じ図面を複数人が書いても、その作成時間は異なるのです。そこで、図面部全員が同じ種類の線の作図を書き、何分何秒かかったかを測定します。その測定を通常使用する多種類の線に対して行ったのです。すると、1種類の線に対して、ある人は3分で、ある人は5分、2分というように差が出ます。そこで全ての線について、最も早い人の書き方を全員が「右へならえ」で習得するのです。そうしますと、全員が最も早い機能で作図ができることになります。なんと作図効率を40%もアップできたのです。この節約は大きく年間約300万円を超える額となりました。
通常、図面を担当する場合、早い人と遅い人が出ます。そうすると早い人はその手練手管を教えると自分の有利さがなくなるので、教えたがりません。QCのいいところは、全員で伸びていこうとする力が働きますので、このような効率化が実現するのです。さらに、グループ間のコミュニケーションがよくなり団結力が出てくるのも、QCのよさです。

(7)パソコン内のフォルダ整理

国際管理部外内グループは5人の体制でしたが、その5人が共通に使用するあるいは使用してもよい所内コンピュータネットワーク内のフォルダは、なんと長年の間に4,000個にも達していたのです。当然ですが全く使用されていないものも非常に多くなっていたのです。中には使用すれば事務能率を上げるのに非常に役立つフォルダもあるにはあっても、どこに格納されているかさっぱり分からないとか、アクセスするのに時間がかかるといった問題がありました。そこで、このグループは気の遠くなるような作業をQC活動によりやってのけたのです。4,000あったフォルダを1つ1つ丹念に調べ上げ、いらないものを廃棄、使えるもの1,100を残したのです。単に残すだけではなしに、使い勝手がいいように階層的に整理し、インデックスをつけて、希望するファイルに直ちにアクセスできるようにしたのです。事務能率の向上時間に換算して節約額を計算すると、年間約37万円になったのです。
個人的に見てもわれわれのパソコン内には、将来全く使用しないであろうと思われるフォルダが、山ほど眠っていると思われます。使用すれば大変便利になるフォルダもあります。これらをスカッと整理できたら素晴らしいのですが、さあ、いつできるでしょうか。まず不可能でしょう。このグループは非常に面白いテーマを見つけたといえます。

7)売上最大、経費最小(その5 システム開発)

当所には8人のシステムエンジニアが勤務しています。システム開発部を形成しているのです。そして、ときには所内システムの改革を行うために、大規模システムの開発をやることもありますが、通常は全所内から寄せられるシステム開発改善要望に応えるソフト開発を行っています。QC活動では事務部門からの要請で他の部門の活動に加わり、QC活動の効率化を図る役目を担っています。最近のソフト開発の事例を二、三取り上げたいと思います。

(1)外国顧客に対する請求書用電子ファイル作成ソフト

当所の重要顧客である外国企業は4年ほど前に、請求を電子ファイルの送付によって行うように要請があったのです。これは米国で粉飾決算が大問題になって、SOX法が制定されたときに、その対応として行われたことでした。当所ではこの要求に対してソフト開発を行って対応しました。そうして、当所の請求データさえ正しく入力さえすれば、そのデータに基づいて請求用の電子ファイルを瞬時に作成することができるようにしたのです。
このソフト開発がなかったならば、請求書ごとに必要なデータをExcelなどにインプットし、所定の形式のファイルを作成しなければなりません。調べてみたところ、4年間弱で2,462件の請求の効率化に寄与していたのです。1件あたりの省力効果による費用節約効果も大きいのですが、ミスなく正確に請求用の電子ファイルを作成できる恩恵も非常に大きかったのです。

(2)作業登録、イメージ登録の一括化

当所では全ての手続きについて、これを「作業」としてシステムに登録して履歴を残し、そのエビデンスを「作業」に紐付けてイメージ登録します。例えば、お客様から審査請求の指示があったとします。そうしますとお客様からの審査請求の指示があった旨と日付とをその事件のファイルに登録するのです。そのときその登録だけではなしに、指示書をスキャンして、その登録と紐付きにしてイメージ登録するのです。通常、この処理は案件単位(所内番号単位)で1つ1つ行っています。案件ごとに、「作業」とイメージを1つ1つ登録することで各処理を確実に扱うようにシステム設計がされているのです。ところが最近、大量の中途受任や名義変更などのご依頼が増えてくるようになって、この1つ1つの処理方法では具合の悪いケースが出てきました。このようなケースでは、同じ「作業」、同じイメージを、複数の案件に対して何回も何回も繰り返して登録しなければならないため、たいへんな労力がかかっていました。そこでこのソフトでは1つの「作業」、1つのイメージを、複数の案件に対して一括で登録できるようにしたのです。そうしますと、「作業」の登録、イメージの登録がたいへん効率的にできるようになったのです。例えば、100件の名義変更など、まとめて処理をするような場合には、もちろんのこと、5件、10件の「作業」登録、イメージ登録でも、処理時間を半分程度にまで削減できるようになったのです。

8)まとめ

以上当所の売上最大、経費最小について述べました。特に費用の節約については、QC活動とシステム開発について述べましたが、その他の出張費などあらゆる費用の削減については、まだまだ不十分であることは認識しています。今回サブプライムローン不況で、大企業において取られた経費節約手段は、あらゆる面に及んでいます。当所の程度はまだまだ不十分であるといえます。さらに努力していきたいと思います。