商標登録出願情報を用いた出願分析について|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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商標登録出願情報を用いた出願分析について

J-PlatPatの「商標検索」では、「商標」「類似群コード」や「出願人名」等を入力することで、条件に該当する出願・登録商標を抽出することができます。また、画面下方に表示される「検索オプション」のウィンドウを開くと、「出願日」などを入力してさらに絞り込みを行うことができます。これを活用することで、競合の出願分析を行うことができます。まず、データ抽出までの作業手順は次の通りです(※CSV出力を前提とする手法です)。

  1. 「商標検索」の画面中、「その他の検索キーワード」に表示された検索項目から「出願人/権利者/名義人」を選択し、右の「キーワード」の欄に、調べたい競合会社の正式名称を入力します。
  2. 少し下に設けられた「検索オプション」を開きます。
  3. 「日付指定」の項目で「出願日/国際登録日(事後指定日)」を選択し、調べたい期間を入力します(例えば「20200101~20221231」)。
  4. 「検索」を押すと、その下に結果が出力され、出願・登録番号や商標、区分、出願日等が表示されます。
  5. 「CSV出力」を押して、検索結果をCSVファイルで保存します(CSV出力を行うには、事前に認証を受けておく必要があります。)。

CSVファイルの加工については説明を割愛いたしますが、ここで重要なのは「区分」です。デフォルトの設定では、CSVファイルのE列に区分が表示されますので、「区切り移置」を操作して、一つのセルに一つの区分が入るようにします(例:「12,35,41,42」→「12」「35」「41」「42」)。

これを年毎に整理すると、以下のような表にまとめることができます。これはある自動車関係会社A社・B社の実際の出願データを整理したものです。ここでは便宜上、A社を「自社」、B社を「競合」として比較を行います。

商標登録出願情報を用いた出願分析について | コラム

<表から読み取れる両社の違い>

  • B社の過去3年の出願件数は、A社の約2倍である。
  • B社は、毎年第7類(産業機械)で4~6件ほどの出願がある。一方、Aは0件である。
  • B社は、第9類(ソフトウェア)の出願に注力している。過去3年の指定区分数は、最重要分野である第12類(自動車)に次いで多い。
  • A社は、2021年から第9類の出願に着手し始めた。2022年は、25件の出願中、11件の出願において第9類を指定するほど力を入れている。
  • 第12類については、A社・B社共に最も指定区分数が多い。

区分の動きは、その会社の商品開発の動きを象徴することがあります。単に数を追うだけでは分析が進みませんが、この表によって全体の流れを掴んだ上で、個々の出願商標の指定商品・指定役務を精査すると、さらに詳しい情報を得ることができます。また、中期経営計画や、株主向け資料等も、分析の一助となることがあります。

弊所では、権利化業務の他に、このようなデータ整理や分析サービスも承っております。ご興味がございましたら、ぜひご相談下さい。