年頭ごあいさつ
2023年1月4日
所長 弁理士 恩田誠
あけましておめでとうございます。
2022年も激動の1年でした。残念ながら、コロナウイルスは収束しませんでした。そして、ウクライナ戦争、北朝鮮の相次ぐミサイル発射、安倍元総理暗殺、円安、物価高、資源高と、大変な事件を挙げたらきりがありません。その一方で、サッカー・ワールドカップでの日本チームの活躍に勇気をもらいしました。
そして、この弊所情報誌「パテントメディア」も、今号から紙媒体での提供を終了し、オンラインでの提供に一本化いたしました。時代の流れを感じると共に、新たな可能性にも期待しています。引き続きご愛顧ください。
2022年の概況報告
1.特許明細書チェックへのAI導入
2021年のデル・テクノロジーズ株式会社主催「中堅企業DXアクセラレーションプログラム」にて、弊所が準優勝に選ばれました。昨年は、奈良先端科学技術大学院大学の先生と共に、AI導入に取り組みました。その結果、新しいプログラム言語(Python)を動かす環境を整備し、「主語が存在しない文章」のAIチェックを実現することができました。今後も、奈良先端科学技術大学院大学の先生の指導の下、特許業務へのAI技術の導入と、AI人材の育成を続けていく予定です。
2.国際会議への参加再開
コロナ禍で見合わせていた、国際会議への現地参加を再開しました。5月INTA(米国ワシントンDC)、9月AIPPI(米国サンフランシスコ)、10月APAA(韓国釜山)に参加し、各国代理人との対面での情報交換を多数行いました。また、現地代理人事務所の訪問も行いました。今後も国際特許事務所として、国際的なネットワークをさらに強固にする活動を継続してまいります。
3.大阪オフィスのリニューアル
設立18年を迎えた大阪オフィスを、より現代的なオフィスにリニューアルしました。関西圏での受任体制を一層強化するため、今後重点的に関西圏の人財確保・育成に注力してまいります。
4.オンラインセミナーの開催
オンラインセミナーを多数開催しました。(初心者向け特許調査セミナー、中国意匠出願セミナー、ハーグ意匠制度の基本と活用法、中国特許審査の近年の動向、業務改善セミナー、米国特許訴訟セミナー)
5.公式YouTubeチャンネル開設
オンダ国際特許事務所『公式YouTubeチャンネル』を開設しました。『3分で解説!特許のしくみ』シリーズと題して、現在第10回まで公開しています。知財部門に初めて配属された方や、知財部門以外の方を念頭に、わかりやすい解説をお届けしています。社内での知的財産制度に関する啓蒙活動や、知的財産担当者の育成等にご活用ください。
6.特許検索競技大会入賞
2022年開催の特許検索競技大会で、知財戦略支援部 部長 畔上英樹がブロンズ認定(機械)を受賞しました。弊所全体としては、2010年以来10回目の入賞です。弊所では引き続き、特許調査のレベル向上への取り組みを行ってまいります。
2023年の取り組み予定
1.米国および中国での知財サポート体制の充実
近年、日本企業のお客様における外国出願の関心は、米国と中国に集中しているように感じます。弊所では、所内に在籍する米国特許弁護士・中国弁理士との連携で、米国と中国における知的財産取得・活用のサポートを更に充実させてまいります。
2.人財強化
全従業員数は現在311名です。おかげさまでいずれの部門も大変忙しい状況が続いており、人財採用が急務となっております。今年は更なる増員を予定しております。4月には新卒採用9名が決まっております。また、2024年の新卒採用に向けての活動も、既に開始しております。
3.情報セキュリティ強化
自社管理による専用バックアップサーバを設置することで、岐阜オフィスと東京オフィスの2拠点でのデータバックアップ体制を整備しております。これに加え、近年猛威を振るうランサムウェア対策として、オフライン管理によるデータバックアップも実行いたします。更には、在宅勤務などによるオフィス外からの所内ネットワーク接続への対策として、シンクライアントPC(リモート接続専用端末)を導入することで情報漏洩対策を推進します。
4.タイムスタンプサービスの開始
お客様からの要望を受け、弊所にてタイムスタンプサービスを開始いたしました。データをお渡しいただくだけで、タイムスタンプを提供いたします。数が少なくてもお気軽にご利用いただけます。
最後に
毎年報告させていただいている趣味のランニングですが、昨年は久しぶりに再開された大会に参加できました。東京マラソン、富山マラソンのほか、ハーフマラソン大会に4回出場しました。8月にコロナ感染したため、完全復帰までに数ヶ月がかかりました。いずれの大会も、自己ベストにも及ばない結果となりまたが、久しぶりに大会に出場し、多くの人の応援を受けながら走れる楽しさを満喫しました。また、久しぶりの海外出張で、ワシントンDC、サンフランシスコ、釜山と各地でランニングを楽しめたのは、よい思い出となりました。
今年は、2月の京都マラソンを始め、多くの大会にエントリーしています。今年もランニングを楽しみたいと思います。
2023年がみなさまにとってすばらしい一年でありますよう、お祈り申し上げます。