年頭ごあいさつ|お知らせ|オンダ国際特許事務所

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年頭ごあいさつ

(パテントメディア2015年1月発行第102号掲載)
所長 弁理士 恩田誠

新年あけましておめでとうございます。昨年、弊所は東京オフィスを開設して15年を迎えました。東京オフィスは、弊所にとって初めての支所であり、これを軌道に乗せることが私自身に課された使命でした。おかげさまで、現在東京オフィスのスタッフは弁理士10名を含む40名、国内外の特許出願はもちろんのこと、意匠、商標、調査業務まで専任のスタッフが在駐しており、中堅規模の特許事務所といってもよいほどの規模となりました。皆様のあたたかいご支援に心より御礼申し上げます。昨年9月には、東京オフィス開設15周年記念祝典を新宿京王プラザホテルにて開催し、関東地区の多くのお客様にご参列いただきました。

2014年は、円安株高の影響で多くの上場企業が好業績を記録した一方、消費税増税後の消費の落ち込みの回復が思わしくなく、特許出願の依頼件数が増加する企業と減少する企業とに分かれました。世界経済は回復基調であり、米国を始めとする外国から日本への出願件数も増加しました。

日本企業からの外国への出願依頼は大幅に増え、弊所では過去最高の取扱件数となりました。しかも、出願国は欧米中のみならず、ASEAN諸国にも確実に広がりつつあります。日本企業のグローバル化傾向が加速していることを実感しています。

■2014年の主な活動
  1. セミナーや勉強会を多く開催しました。ASEAN特許、特許情報活用、意匠、商標(国内・外国)などのセミナーを計5回(15会場)開催しました。また、少人数を対象に行う意匠・商標の小規模勉強会を計11回開催し、ご好評をいただきました。また、企業にお伺いして行う出張知財セミナーも多数開催いたしました。
  2. 昨年10月から、弊所所属の弁理士金森晃宏が、日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所知的財産部に赴任しました。弊所としましても、これを機にASEAN諸国の知財制度の状況について、情報収集と発信に努めてまいります。
■2015年の取り組み予定
1.グループ毎のクレーム検討(国内特許本部)

同じお客様の同じ分野を担当するグループ毎に、主担当者が作成したクレーム(特許請求の範囲)を複数のメンバーで精査する活動を行います。お客様の事業内容に沿った権利範囲となっているか、発明の原理が正確に把握されているか、権利範囲を不要に限定する表現・語句等はないか、侵害発見を意識した記載・表現となっているか等々、お客様の権利活用を十分に意識し、しかも互いの経験から裏打ちされた、より付加価値の高いクレーム作成にチャレンジしていきます。

2.新興国の情報共有による良質なサービスの提供 (国際特許本部)

近年のBRICs、ASEAN等への出願の増加傾向を受け、新興国の特許法に対する理解を高める活動を行います。実際の中間処理の事例をもとに実務担当者が情報を共有し、お客様にご満足いただける中間処理サービスを提供いたします。
また、特許明細書を各国の言語に翻訳する場合にベースとなる英文明細書を充実させます。所内翻訳者が訳語のデータベースを作成して適切な情報を共有し活用しながら、お客様毎に技術内容にマッチした良質な英文明細書をご提供いたします。

3.意匠の特許的活用のご提案とハーグ協定に関する情報発信(意匠部)

特許部門と連携しながら、意匠の特許的活用(機能的形状の意匠的側面からの保護検討、特許から意匠への出願変更等)について、多面的なご提案や、情報のご提供を行います。

4.「知的財産デューデリジェンス」サービスの開始(商標部)
  • 商標維持コストの最適化に効果のある「商標ポートフォリオ整理R」のサービス拡充に一層注力します。
  • 「知的財産デューデリジェンス」のサービスを開始します。「商標ポートフォリオ整理R」の手法を応用し、M&Aをサポートします。
  • 税関における輸出入差止めの申請を承ります。侵害品の流入を食い止め、ブランド価値の毀損・汚染防止をお手伝いします。
5.特許調査の能力向上(知財戦略支援部)

特許検索競技大会2015への参加や、サーチャー試験の受験、新特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)に関する情報収集を積極的に行い、サーチャーの技術とサービス向上に努めます。

6.アジア知財保護サポートを強化(国際事業部)

上海オフィス、台北オフィス共に増員を図ると共に、日本からの実務・事務のサポートを充実させることで、お客様の中国語圏での知財保護サポートを強化いたします。

7.法改正対応とセミナー・小規模勉強会の開催

今年は特許法等の改正が施行されます。特許異議申立対応として特許調査の充実化、ハーグ協定に基づく意匠の国際出願の出願戦略のご提案、「新しいタイプの商標」についてのご提案をはじめ、今年も多くのセミナー・小規模勉強会を開催し、積極的な情報発信を行います。

■最後に

私事で恐縮ですが、趣味のマラソンは今年で6年目となりました。一昨年末のフルマラソンで膝を故障したため、復帰までに時間がかかりましたが、昨年はハーフマラソン大会に6回出場しました。毎週日曜日のオンダマラソンチームの早朝練習や、リレーマラソン大会に参加して楽しんでおります。今年もより多くの所員と一緒にランニングを楽しみたいと思います。
2015年が皆様にとってすばらしい一年でありますようにお祈り申し上げます。