商標審決レポート(SUSTAINABLE PUMP)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(SUSTAINABLE PUMP)

商標「SUSTAINABLE PUMP」は商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するものすぎず、及び商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるとして登録することができないとされた事案

2024年11月29日
弁理士 八代則子

審判番号

不服2023-009397 (商願2022-026962)

審決/判決 審決
審決日 2024年10月21日
出願人 兵神装備株式会社
商標 SUSTAINABLE PUMP(標準文字)
指定商品・役務 第7類 ポンプ並びにその部品及び附属品,等
第9類 電子計算機用プログラム,等
第11類 浄水装置,等
第37類 ポンプの修理又は保守,等
第38類 電気通信,等
第42類 電子計算機用プログラムの提供,等
審決の内容

本願商標は、「SUSTAINABLE PUMP」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、同書、同大、等間隔で表されているとしても、「SUSTAINABLE」の文字及び「PUMP」の文字を組み合わせてなるものであると容易に理解できるものである。

そして、本願商標の構成中の「SUSTAINABLE」の文字は、「持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについていう。」を意味し、「PUMP」の文字は、「ポンプ,給水機;ポンプで吸い込み送り出すこと,ポンプ作用.」を意味し、いずれの文字も、片仮名表記でも親しまれている語であるところ、「サステナブル」の文字は、上記のほか、特に自然環境への配慮を表現する際に使用されることがあることが確認できる。

また、「サステナブル」の文字を使用して、省エネ効果等を有する環境に配慮したポンプが製造、販売されている事例を確認することができることに加え、環境に配慮した商品等を表現する際に、「サステナブル」の文字を冠して、「サステナブル○○」と表記することが一般に行われている事例が確認できるから、本願商標は、構成全体として、「省エネ効果等を有し環境に配慮したポンプ」ほどの意味合いを認識させるものである。

そうすると、本願商標を、その指定商品中「ポンプ」及び指定役務中「ポンプの制御等のための通信やコンピュータプログラムの提供等の役務」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品及び役務が、「省エネ効果等を有し環境に配慮したポンプに関する商品及び役務」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品又は指定役務中、「省エネ効果等を有し環境に配慮したポンプに関する商品及び役務」と関連のない商品又は役務について使用をするときは、商品の品質又は役務の質(内容)の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

コメント

出願人は、「SUSTAINABLE」の語と結合してなる商標が様々な指定商品・役務との関係で識別力を認められた例として、以下の登録例を挙げている

  • 登録第6292329号「Sustainable Diamond」(第14類 宝玉及びその模造品,等)
  • 登録第6546441号「Sustainable Pad」(第16類 文房具類)
  • 登録第6623812号「SUSTAINABLE DISPENSER」(第7類 塗装機械器具並びにその部品及び附属品,等)