商標審決レポート(キッズマネーリテラシー)
「キッズマネーリテラシー」は、指定商品及び指定役務「学習参考書,技芸・スポーツ又は知識の教授,等」との関係において、商品の品質等及び役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできないとして登録すべきとされた事案
2022年1月26日
弁理士 八代則子
審判番号 | 不服2021-004369 (商願2020-019642) |
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事案の概要 | 本願商標「キッズマネーリテラシー」は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質等及び役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできないとして登録すべきとされた事案 |
審決/判決 | 審決 |
審決日 | 2021年12月20日 |
出願人 |
株式会社Terakoya Kids |
商標 |
キッズマネーリテラシー |
指定商品・役務 |
第16類 印刷物,学習参考書,他 |
審決の内容 |
本願商標は、「キッズマネーリテラシー」の文字を標準文字で表してなるところ、外観上一体的に表され、その構成中の「キッズ」の文字が「子供達。」の意味を、「マネー」の文字が「かね。ぜに。」の意味を、「リテラシー」の文字が「読み書きの能力。識字。転じて、ある分野に関する知識・能力。」の意味を有する語であり、これらを結合してなる「キッズマネーリテラシー」の文字が、『子供のお金に関する知識・能力』の意味を暗示させる場合があるとしても、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質及び役務の質を直接的かつ具体的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。そして、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「キッズマネーリテラシー」の文字が、商品の具体的な品質等及び役務の具体的な質等を直接的かつ具体的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質等及び役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質等及び役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
コメント |
出願人は、審判請求書等において、以下の主張をしている。 本願商標は「キッズマネーリテラシー」の文字を標準文字で表してなるところ、同書、同大、等間隔に外観上一体的に表してなるものであり、その構成文字全体から生じる「キッズマネーリテラシー」の称呼もよどみなく一連に称呼し得る、このため、かかる構成においては、その構成中の「キッズ」、「マネー」、及び「リテラシー」の各語の意味を特定した上でそれらを結合して全体の意味を理解するようなことは行われず、「キッズマネーリテラシー」という一つの造語として取引者や需要者に認識されるとみるのが相当であるといえる。 |