商標審決レポート(SMARTFARM)
「SMARTFARM」は自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいえず、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできないとして登録すべきとされた事案
2021年1月29日
弁理士 八代則子
審判番号 | 不服2020-6301 (商願2018-121614) |
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事案の概要 | 「SMARTFARM」は自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいえず、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできないとして登録すべきとされた事案 |
審決/判決 | 審決 |
審決日 | 2020年12月25日 |
出願人 | 株式会社MOVIMAS |
商標 | 本願商標 |
指定商品 |
第31類 生鮮のハーブ,未加工のハーブ,生鮮の果実及び野菜,種子類,苗 |
審決の内容 |
本願商標は、「SMARTFARM」の文字を横書きしてなるところ、該文字から、「IoT技術等を駆使し、農作物栽培施設の温度や湿度、日射量などの管理等を行っている農場(スマートファーム)で生産される商品」といった意味合いを想起させる場合があるとしても、このことのみをもって、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいい難い。 そして、当審において職権をもって調査するも、我が国において、「SMARTFARM」の文字が、本願の指定商品について、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないといえるほどに、取引上一般に使用されている事実を発見することができず、さらに、本願の指定商品の取引者、需要者が該文字を自他商品の識別標識とは認識しないというべき事情も発見できなかった。 そうすると、本願商標は、その指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいえず、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 |
コメント |
出願人は拒絶理由通知書に対する意見書において、拒絶理由通知書に示されたウェブサイトに関連し、「スマート農場」も登録商標である旨を述べている。 本願商標「SMARTFARM」と商標登録第6156079号「スマート農場」との指定商品・指定役務の類似群コードの一部は共通であり、両商標は観念においても共通する部分があるかと思われるが、本願の審査において商標登録第6156079号「スマート農場」は引例とはされていない。 |