商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス)

「CURRENT+\カレントプラス」と「current」、「CURRENT」とは類似しないとして登録すべきとされた事案

2020年12月24日
弁理士 八代則子

審判番号 不服2020-8208 (商願2019-110877)
事案の概要 「CURRENT+\カレントプラス」と「current」、「CURRENT」とは類似しないとして登録すべきとされた事案
審決/判決 審決
審決日 2020年11月11日
出願人 iSense株式会社
商標 本願商標 商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス) | 2020年
引用商標1 商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス) | 2020年
引用商標2 商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス) | 2020年
指定役務

第35類 化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,その他

審決の内容

本願商標は、上段に「CURRENT」の欧文字と黒塗りの十字状の図形を、下段に「カレントプラス」の片仮名を表した構成からなるところ、上段の「CURRENT」の欧文字は、「流れ」等の意味を有する英語であり、「カレント」と称呼されることからすると、下段の「カレント」の片仮名は上段の「CURRENT」の欧文字の読みを特定しているものと容易に認識されるものである。

そして、下段の「カレントプラス」の片仮名中、「カレント」の片仮名が上段の「CURRENT」の欧文字に対応した読みと認識されることからすれば、上段の十字状の図形は、やや太めに表されているとしても、「プラス」と称呼される「+(プラス)」の記号を表した図形と理解されるというのが相当である。

また、本願商標の構成中の「CURRENT」及び「カレント」の文字部分のみが取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情並びに本願商標の構成中の十字状の図形及び「プラス」の文字部分が、本願指定役務に関する分野において、出所識別標識としての機能を果たし得ないとする事情は、いずれも見いだせないものである。

してみれば、本願商標は、外観上、下段に読みを記載した構成からなる商標として、まとまりよく一体的な印象を与えるといえるものであって、構成全体として「カレントプラス」の称呼のみを生ずるものというのが相当であり、かかる称呼もさほど冗長とはいえないものである。

さらに、本願商標の構成中、下段の「カレントプラス」の文字は、辞書等に掲載されている語ではなく、特定の意味を有する語として一般に知られているものでもないことに加え、上段部分も、特定の事物を表すものとして一般に知られているものではないことから、本願商標は、構成全体として、特定の観念を生じるものとして認識されるとは認められないものである。

したがって、本願商標は、その構成全体をもって、認識され、把握される一種の造語とみるのが相当であって、本願商標に接する取引者、需要者が、その構成中の「CURRENT」又は「カレント」の文字部分のみをとらえて取引に当たるとはいえないものであるから、本願商標の構成中の「CURRENT」及び「カレント」の文字部分を分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

コメント

出願人は拒絶理由通知書に対する意見書において、以下の審決例等を挙げて反論したが、反論は認められず、拒絶査定がなされた。

本願商標「商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス) | 2020年」と引用商標「商標審決レポート(CURRENT+\カレントプラス) | 2020年」とは称呼上類似しないと判断され、登録すべきとされた審決

・本願商標「PORTRAIT+」と引用商標「PORTRAIT」とは称呼上類似しないと判断され、登録すべきとされた審決