2023年8月21日掲載
弁理士　濱名哲也

1.はじめに

　今回は、東京地裁での、令和２年（ワ）第４３３１号特許権侵害損害賠償請求事件を紹介します。

2.本件の概要

　本件は、特許権者たる原告が被告製品の販売等を行う被告に対して侵害損害賠償請求を求めた事件です。

　特許権にかかる発明の名称は、「加熱式エアロゾル発生装置、及び一貫した特性のエアロゾルを発生させる方法」というものです。加熱式タバコ用の器具に関する発明に関する事件です。

3.当事者

　原告は、フィリップ モーリス プロダクツソシエテ アノニムです。

　被告は、ジョウズ・ジャパン株式会社、および、アンカー・ジャパン株式会社です。

4.本件特許発明および被告製品

　本件特許発明は、加熱式タバコ用の器具において、加熱要素の温度のプロファイルについての発明です。

課題および目的の概略

　エアロゾル発生装置は時間経過にわたって一貫したエアロゾルを生成できることが望ましい。一方、連続的又は反復的加熱と共にエアロゾル形成基材の特性が大幅に変化する場合があるため、一貫したエアロゾルの生成は困難である。

　そこで、エアロゾル形成基材の連続的又は反復的加熱期間にわたって特性がより一貫したエアロゾルを提供する。

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