限定公開【判例研究】属地主義に関する判例紹介【その1】(令和元年(ワ)第25152号 特許権侵害差止等請求事件)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

限定公開【判例研究】属地主義に関する判例紹介【その1】(令和元年(ワ)第25152号 特許権侵害差止等請求事件)|知財レポート/判例研究|弁理士法人オンダ国際特許事務所

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限定公開【判例研究】属地主義に関する判例紹介【その1】(令和元年(ワ)第25152号 特許権侵害差止等請求事件)

2022年12月8日掲載
弁理士 二宮佳亮

1.はじめに

今年になってから、属地主義に関する判決がいくつか出されました。それらの判決のうち、今回は、東京地方裁判所での、令和元年(ワ)第25152号、特許権侵害差止等請求事件を紹介します。

紹介の前に、今回問題となる論点について、簡単に触れます。端的にいうと、今回の論点は、特許発明の一部が国外で実施されたときに日本の特許権が及ぶのか、という点です。
そもそも、特許権について、日本国で付与された特許権の効力の及ぶ範囲は、日本国の領域内に限られる、とする属地主義の原則があります。しかし、インターネットなどの通信技術が発展した昨今では、IoT関連発明が盛んになされていることから、複数の国に跨って発明が実施されたときに侵害が認められるか否かについて注目されていると思います。そんななか、今回属地主義に関する判決が出されましたので、本判決について各方面からの注目を集めているかと思います。

 

2.本件の概要

本件特許発明は、サーバと、端末装置と、を備えるコメント配信システムの発明です。そして、被告システムの端末装置は国内にある一方で、被告システムのサーバは国外にあります。本件では、被告システムのサーバが国外にあることから、被告による被告システムの日本国内での生産とは認められないとして、侵害が否定されました。

 

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