限定公開【判例研究】 令和2年(ネ)第10016号 特許権侵害差止等請求控訴事件(原審 東京地方裁判所 平成31年(ワ)第4944号) ~結ばない靴ひも特許権侵害差止等請求控訴事件~
(パテントメディア2022年5月発行第124号掲載)
弁理士 戸部田学
今回は、共有特許権者の1人が共同出願契約に違反したことにより、その共同出願契約の定めに基づいて、違反した共有特許権者の特許権の持ち分が喪失したと認定された事件を紹介します。
[1]事件の概要
控訴人(一審原告)、被控訴人Y(一審被告)、B及びAは、特許権の登録時点において、下記の本件特許権1、2を共有していました。
控訴人、被控訴人Y、B及びAは、本件各特許権の出願及び実施品の販売に関して共同出願契約を締結していました。
2件の特許権の共有者の1人である控訴人は、被控訴人Yが被告製品を販売していることは、共同出願契約に違反するなどして本件特許権1を侵害すると主張し、被控訴人Yを提訴しました。地裁は、控訴人の請求を棄却しました。これに対して、控訴人は、知財高裁に控訴しました。知財高裁は、控訴人の訴えを棄却しました。
[2]特許権
(1)本件特許権1
特許番号:特許第5079926号
発明の名称:チューブ状ひも本体を備えたひも
(2)本件特許権2
特許番号:特許第5392519号
発明の名称:チューブ状ひも本体を備えた固定ひも
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