2021.05.01
【意匠の国際登録について、理解を深めたいと思っている方へ 】ハーグ制度の最新情報と 国際段階における留意点
(パテントメディア2021年5月発行第121号掲載)
弁理士 正木美穂子
1.はじめに
日本において、意匠の国際登録に関するハーグ協定が2015年5月13日に発効して以来、早くも6年が経過しようとしています。ハーグ制度の導入により、ハーグ締約国に意匠出願する際には、ハーグルートと従来どおりの国内ルートという2つの選択肢が生じることになりました。
導入当初は、未知の制度に対する慎重な姿勢と、国内ルートを使えば、少なくとも従来どおりの意匠保護は得られるという安心感からか、制度活用に消極的な日本企業も少なからず見受けられたように思います。
しかしながら、国際代理人としてハーグ出願を遂行する中で、6年間の間に蓄積された知見は少なからずありました。また、ハーグ制度そのものにも、加盟国の増加を含む種々の変化が生じています。常に、制度を取り巻く情勢や出願環境に関する情報をアップデートし続ける必要があると実感する今日この頃です。
本稿においては、ハーグ制度に関する最新情報をご紹介するとともに、ハーグ出願における「国際段階」すなわち対WIPO国際事務局の手続きに焦点を当てて、制度の特色や留意事項を整理・確認したいと思います。
2.ハーグ制度の概要と加盟国
外国においても意匠を独占的かつ安全に実施するには、製造や販売が見込まれる各国において意匠権を取得することが、パリ条約の「特許独立の原則」の類推適用により望ましいと言えます。ハーグ協定はパリ条約上の「特別の取極」に該当します。
とはいえ、国毎に出願して権利を取得することは、コスト面、手続面で出願人の負担が大きく、容易なことではないという実情にもうなずけます。
ハーグ制度は、このバラバラの出願を一つの国際出願にまとめて、手続きを簡単に、費用を安くできる制度です。複数国への効率的な出願という点においては、特許の特許協力条約(PCT)や商標のマドリッド協定議定書(マドプロ)と同様の位置付けになります。また、ハーグ制度においては、出願手続きだけでなく、出願後の種々の手続き、例えば更新や各種変更届のようなものも一元化することが可能です。
ハーグ制度を利用して外国意匠出願を行う場合のイメージ図(指定国は例示)
2021年4月1日時点では、ハーグ協定ジュネーブ改正協定の締約国数(政府間機関を含む)は65に達し、最大90カ国における意匠保護が可能になりました。締約国と保護可能国の数が異なるのは、1999年のジュネーブ改正協定により、EU(欧州連合)やOAPI(アフリカ知的財産機関)のような政府間機関も指定できるようになったためです。また、近年は韓国、日本、米国、ロシア等実体審査を行う国の加入が目立ちます。
65の締約国の中で、日本の出願人が指定する可能性が比較的高いと思われる国(実のところ、弊所において過去に出願実績のある国なのですが)としては、以下が挙げられます。
アイスランド、スイス、ウクライナ、エジプト、トルコ、シンガポール、フランス、EU、OAPI、ドイツ、ノルウェー、韓国、日本、米国、ロシア、英国、カナダ、ベトナム、イスラエル他
ところで、現在、特に注目されているのは、加盟間近と言われている中国の加入時期や発効日がいつ頃になるかという点でしょう。2021年4月1日現在、WIPOからは、交渉中であるという以外の情報は得られていません。新規加入国の発効日は、寄託日から3カ月又はそれ以降の日と条約に規定されているため、寄託から発効まで少なくとも3カ月は待つことになります。
いずれにしても、中国の新たな加入により、ハーグ制度がより活発に利用されることになるのは間違いないと予想されます。
3.ハーグの最新出願動向
~WIPO Hague Yearly Review 2020と直近のプレスリリースを概観して~
(1)締約国ごとの利用状況
WIPO発行のHague Yearly Review 2020によれば、2019年に行われたハーグ出願件数は5,886件で前年比8%増、そして、これらの出願に含まれる意匠数は、合計21,807件で前年比10.4%増という結果になりました。
意匠数を出願件数で割ると、1件の国際出願に含まれる意匠数は、平均3.7件程度と把握できます。(ちなみに、一出願に含めることのできる上限は、ロカルノ分類が共通する100意匠までです。驚くべきことに、2019年には上限いっぱいまで含めた登録が3件ほどあったそうです。)
その後、コロナ禍に見舞われた2020年の出願動向については、2021年3月2日付WIPOプレスリリースによれば、出願件数は5,792件、意匠数は18,580件と減少に転じました。そんな中でも、米国は出願意匠数において大幅な伸びを示し、ハーグ制度の最大ユーザーであるドイツに次いで順位を第2位に上げました(2019年は第6位)。
一方、2020年における日本発の国際出願件数は、下表のとおり408件で世界第5位、意匠数は942で世界第7位でした。日本のすぐ後ろには、フランスを挟んで加盟前の中国が続いています。これは、締約国に住所を有していて、既にハーグ制度を利用している中国出願人が、一定数存在することを示しています。
2020年 ハーグ国際出願件数トップ10
国名 | 出願件数 | 増減 | |
---|---|---|---|
1 | 韓国 | 1145 | -2.6% |
2 | ドイツ | 702 | -9.0% |
3 | スイス | 531 | -11.6% |
4 | 米国 | 526 | 28.3% |
5 | 日本 | 408 | 2.8% |
6 | フランス | 400 | -14.3% |
7 | 中国 | 361 | 51.0% |
8 | イタリア | 273 | -33.7% |
9 | 英国 | 167 | -8.2% |
10 | オランダ | 136 | -24.9% |
2020年 ハーグ出願意匠数トップ10
国名 | 意匠数 | 増減 | |
---|---|---|---|
1 | ドイツ | 3666 | -18.3% |
2 | 米国 | 2211 | 63.7% |
3 | スイス | 1944 | -10.7% |
4 | 韓国 | 1669 | -39.0% |
5 | イタリア | 1231 | -38.3% |
6 | オランダ | 999 | -27.4% |
7 | 日本 | 942 | -18.4% |
8 | フランス | 936 | -27.9% |
9 | 中国 | 826 | 24.6% |
10 | トルコ | 524 | 30.3% |
*WIPO 2021年3月2日付プレスリリースの統計資料から作成(順位と件数)
日本より約1年早く加入した韓国、日本と同日に発効した米国と比べると、わが国のハーグ制度利用状況は、非常に活発とは言えないかもしれません。とはいえ、韓国や米国においては、もしかしたら、以下のランキング表に示すような一部のビッグユーザーに牽引されている可能性もあると思います。
なお、このランキングにおいては、日本企業では32位に三菱電機(107件)、42位に東芝(79件)がランクインしていました。
2020年 ハーグ 出願人別 公表件数ランキング
順位 | 出願人名 | 国名 | 公開件数 |
---|---|---|---|
1 | サムスン電子 | 韓国 | 859 |
2 | プロクター・アンド・ギャンブル | 米国 | 623 |
3 | FONKEL MEUBELMARKETING | オランダ | 569 |
4 | フォルクスワーゲン | ドイツ | 524 |
5 | 小米科技(シャオミ) | 中国 | 516 |
6 | LG電子 | 韓国 | 478 |
7 | フィリップス | オランダ | 463 |
8 | WENKO-WENSELAAR | ドイツ | 362 |
9 | マジックリープ | 米国 | 320 |
10 | LAMPENWELT | ドイツ | 276 |
11 | ブラウン | ドイツ | 238 |
12 | ダイムラー | ドイツ | 207 |
13 | ALFRED KARCHER(ケルヒャー) | ドイツ | 188 |
14 | PSA(プジョー) | フランス | 187 |
15 | BSN メディカル | ドイツ | 184 |
16 | THUN | イタリア | 175 |
17 | ルノー | フランス | 157 |
18 | ARES S.R.L. | イタリア | 154 |
19 | ドライテックテクノロジーズ | ベルギー | 150 |
20 | ジレットカンパニー | 米国 | 144 |
トップ20にランクインした出願人を見ると、エレクトロニクス、生活用品、家具、自動車等、分野を問わず、多岐に渡ってハーグ制度が活用されていることがわかります。
(2)各締約国への指定状況
2019年に全世界のハーグ出願で最も多く指定されたのは、出願件数ベース、意匠数ベースともにEUでした。EUの後には米国、スイス等が続きます。
この他、特に2019年に指定数が急増したと言われるのは、2020年1月31日にEUを離脱した英国です。前年比の伸び率は、意匠数ベースで225%を記録しています。EU離脱が本格化するまでは、英国での意匠保護は、直接EUIPOに出願するか、ハーグ出願でEUを指定するのが一般的でした。ところが、離脱の実現に伴い、EUとは別に、英国での権利取得手続きが必要になったわけです。したがって、英国指定の増加要因はEU離脱にあると理解できます。
確かに、弊所が代理するハーグ出願でも、英国指定は増加傾向にあります。「EU+英国(+その他の欧州諸国)」は、ハーグ制度による一元管理のメリットをあらためて実感できる指定国の組み合わせだと考えます。
ところで、他の日本企業がどの辺りの国々を指定しているかは、やはり気になるところですが、WIPO報告によりますと、2019年の指定状況は以下のとおりでした。弊所代理案件においても、概ね同様の結果が見られました。
1 | EU | 6 | 日本 |
2 | 米国 | 7 | スイス |
3 | 英国 | 8 | カナダ |
4 | 韓国 | 9 | ロシア |
5 | シンガポール | 10 | トルコ |
一方、視点を変えて、指定国としての日本の人気はどうでしょうか。2019年の出願件数ベースではEU、米国、スイスに次いで第4位
と、実体審査国としては健闘しており、意匠数ベースでは第9位でした。最近では、J-Plat Patで検索すると、以下のようなハーグ経由の英文登録が表示されることが珍しくなくなったのではないでしょうか。
(J-Plat Patより抜粋)
4.ハーグ・PCT・マドリッドプロトコルの比較
弊所のお客様からは、概ねハーグ制度に対する理解がスムーズに得られているという印象を受けています。おそらく、ハーグは「PCTやマドプロの意匠版」という下地があってのことでしょう。ただし、3つの制度は完全にパラレルな関係にあるわけではなく、種々の相違点が存在します。中でも、特に覚えておきたい相違点として、以下の4つが挙げられます。
(1)本国における基礎出願・基礎登録の必要性
ハーグ | 不要(→自国指定可) |
PCT | 不要(→自国指定可) |
マドプロ | 必要(→自国指定不可) |
基礎出願・基礎登録の要否は、国際出願における自国指定の可否に対応しています。マドプロにおいて自国指定ができないのは、国際出願が本国における基礎出願・基礎登録の存在を前提とするからです。
(2)セントラルアタック制度の有無(基礎出願・基礎登録への従属性)
ハーグ | なし |
PCT | なし |
マドプロ | 国際登録の日から5年の間に本国で拒絶等された場合には、国際登録の全部又は一部が取り消され、指定国での商標保護が影響を受ける |
ハーグやPCTには「基礎出願・基礎登録」が存在しないため、セントラルアタックは生じません。
(3)指定国を決めるタイミング
出願時 | 国内移行時 | 事後指定 | |
ハーグ | ○ | × | × |
PCT |
× |
○
国際調査や国際予備審査の結果等を踏まえて国内移行国を選定 |
× |
マドプロ | ○ | × | ○ |
ハーグ制度では、出願後に指定国を追加することは認められていません。ハーグ制度を利用する際には、PCTやマドプロと比べて、出願時の指定国選びをより慎重に、過不足なく行う必要があります。
(4)国際公開/国際公表
ハーグ |
以下の3つのオプションから選択可能 |
PCT | 優先日から18月で国際公開される |
マドプロ | 国際公開制度はないが、WIPOが国際出願受領した後、約1~2週間でMadrid Monitorにて閲覧可能 |
ハーグの国際公表はPCTの国際公開と比較して、選択肢が複数あるという点において、少々複雑な仕組みになっています。注意すべきは、公表延期期間を30カ月より短く設定している加盟国(例えばシンガポール)が存在する点、そして、公表延期を認めない宣言をしている加盟国(例えば米国やロシア)を指定国に含めた場合は、公表延期が一切認められない点です。
なお、ハーグの通常公表期間である6カ月は、現在WIPOにおいて12カ月に延長する方向で審議が進められています。採択されますと、2022年1月から改正事項が適用される可能性があります。
上記以外にも、3つの制度には種々の相違点があり、以下の特許庁サイトに一覧表としてまとめられています。
*特許庁サイト:意匠の国際登録制度の概要
出願時の図面作成のポイント、手続時の留意点
<https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/document/isho_text_h29/shiryou_01.pdf>
5.出願方法と出願後の流れ
(1)仲介官庁かWIPOか?書面かオンラインか?
国際出願の提出先としては、通常、日本の出願人には、①日本特許庁への郵送、②WIPOへの郵送、及び③WIPOの出願専用サイトeHague Portfolio Managerからのオンライン出願(以下、E-filing)という3つの選択肢があります。
実際のところ、日本発の国際出願のほとんどはオンラインで行われており、日本特許庁を仲介官庁とする国際出願は、2020年の特許庁年次報告によれば、年間30件前後と少数にとどまっているようです。
E-filingは、インターネット環境さえあれば、氏名、Eメールアドレス、パスワード等を登録して、WIPOアカウントを取得することにより、誰でも利用することが可能です。郵送と比較したE-filingの利点としては、編集中データの保存機能や記載ミスチェック機能をはじめとする利便性、WIPOとのやりとりをリアルタイムで確認できる迅速性、及び出願コスト低減による経済性の高さが挙げられます。操作方法の詳細については、WIPO日本事務所が、ウェブ上でE-filingチュートリアルの日本語訳を提供しています。
(2)必要な情報と書面(E-filingの場合)
オンラインでの国際出願に必要な情報と添付書面は以下のとおりです。添付ファイル以外は、すべてE-filingの画面上で入力します。
- 出願人情報(2021年2月1日よりメールアドレスの記入が必須)
- 創作者情報
- 指定国
- 意匠に係る物品の名称(ロカルノ分類表中の名称が推奨される)
- 意匠に係る物品の属するロカルノ分類
- 意匠図面/写真(JPGファイル、16cm×16cm以内、300dpi以内)
- 意匠の説明(物品説明も記載可)
- 優先権情報
- 希望する公表時期
その他、指定各国における必要書面で、電子ファイルでの提出が認められているもの(例えば、米国における宣誓書やIDS等)を国際出願に添付することが可能です。国際出願の際に提出しなかった場合は、指定国における国内段階で、各国の現地代理人を通じて提出することが可能です。
(3)WIPOからの不備の通知
WIPOからの方式拒絶通知は、当所では通称「不備通知」と呼んでいます。不備通知は、まずメールで届きます。E-filing画面からダウンロードすることも可能です。拒絶率としては、感覚的には20%くらいといったところでしょうか。不備の理由の具体的内容はケースバイケースですが、日本人の出願によく見られる典型例としては、例えば以下のようなものがあります。
①断面指示線は意匠の構成要素ではないとして削除補正を求められた例
②使用状態図において、本願意匠以外を表す実線を破線に変更する補正を求められた例
不備通知には、応答が必要なものと、職権補正に従うなら応答不要なものの2種類があります。前者は、通知日から3カ月以内に応答しないと国際出願を放棄したとみなされます。上に図示したような拒絶例は、日本の図面ルールからすると釈然としないかもしれませんが、出願放棄を避けるには、ひとまず従う必要があります。
もしも自社で手続きされたハーグ出願が不備通知を受けて、特許事務所に不備通知への対応を依頼される場合は、なるべくお早目にご相談されることをお勧めいたします。
(4)国際登録
国際出願が所定の方式を満たした場合、WIPOにより国際登録証が発行されます。しかしながら、国際登録証は、指定した全ての締約国で意匠が保護されたことを証明するものではありません。ハーグ制度は、WIPOが意匠の保護可否を判断したり、お墨付きを与えたりする制度ではなく、あくまでも事務手続きを一元化することを趣旨とするものなのです。
もちろん、多くの無審査国においては、国際登録されれば、ひとまず意匠が”保護され得る状態”になったと考えて差し支えないでしょう。他方、米国や日本のような実体審査国では、国際登録証発行後、国際公表を経てから、各指定国の権限で実体審査が開始されます。
(5)国際公表
国際登録証が発行された後、国際登録日(通常は出願日)から6カ月後に、国際意匠公報が発行され、図面を含むすべての登録情報が、WIPOウェブサイトで電子的に公表されます。公表されたことの通知は来ないため、頃合いを見計らって、自らWIPOサイトを確認する必要があります。
上記4.(4)に示したとおり、出願人が即時公表、又は公表の延期を申請すれば、公表時期を適宜調整することが可能です。公表の延期は、日本の秘密意匠に代わる手続きと言えます。他方、即時公表は、実体審査国での審査開始時期を促し、仮保護の権利の発生を早めるという点で意義があります。
第三者から見ても、この国際意匠公報は、文献情報としての利用価値が非常に高いと考えられます。世界中の関心を集める国際意匠公報に掲載されることにより、自己の権利を広く知らしめる効果、先行公知意匠としての後願排除効果、模倣品の牽制効果、商業的な宣伝効果まで期待できるのではないかと考えます。
6.WIPOウェブサイトを使いこなすヒント
国際公表に関連して、ハーグ出願の管理に有用なHague ExpressとInternational Designs Bulletinの概要をご紹介します。いずれも国際登録された意匠を検索・閲覧できるツールです。この二つのツールの違いを知って使い分けることができれば、ハーグ制度との距離がぐっと縮まり、かなりのハーグ通といえそうです。
まず、国際登録の検索方法として最も利便性が高いのは、毎週更新されるHague Express(ハーグエクスプレス)でしょう。物品名、出願人名、指定国等、様々な条件を指定して縦横無尽に検索することができます。また、ヒットした国際登録の“History”タブを押すと、各登録の経過情報を確認することができます。
<https://www3.wipo.int/designdb/hague/en/>
一方、International Designs Bulletin(通称 ブリテン)は、既に国際登録番号や国際公表の日付がわかっている案件の公報を探すのに便利です。ブリテンには、各指定国における審査結果、更新情報のみならず、ハーグエクスプレスでは確認できない各種変更情報が掲載されるため、より詳細な経過情報の確認に適しています。
<https://www.wipo.int/haguebulletin/?locale=en>
ハーグエクスプレスとブリテンの検索項目の比較
検索項目 | ハーグエクスプレス | ブリテン |
---|---|---|
物品名 | ○ | △ |
ロカルノ分類 | ○ | △ |
出願人名 | ○ | △ |
登録番号 | ○ | ○ |
出願日 | ○ | × |
登録日 | ○ | × |
公表日 | ○ | ○ |
優先権情報 | △※ | △ |
指定国 | ○ | △ |
本国/締約国 | ○ | × |
△・・・公表日を指定すれば検索可能 ※・・・入力できるのは優先日のみ
他にも、WIPOウェブサイトには、ハーグ出願に必要なあらゆる情報が網羅されています。以下に主要なものをご紹介いたします。
◆出願・更新
eHague:<https://hague.wipo.int/#/landing/home>
- E-Filing オンライン出願システム。ユーザー登録要。
- E-Renewal 国際登録の更新システム。ユーザー登録不要。
◆問い合わせ・中間手続き
Contact Hague:<https://www3.wipo.int/contact/en/hague/>
- 2019年より、方式拒絶への応答もContact Hagueから送信可能
- ハーグシステムに関する一般的な問い合わせ
- 優先権証明書やDASコードの請求窓
◆庁費の計算口
Hague System Fee Calculator:<https://www.wipo.int/hague/en/fees/calculator.jsp>
出願時及び更新時のWIPO手数料を計算できる。
7.国際段階から各指定国へ
さて、こうして国際公表を経たハーグ出願は、この後、指定各国でどのように進展するのでしょうか。結局のところ、ハーグ制度を使った方がよいのか否か、そのメリットとデメリットはどのような点なのか… 当面は、さらなる登録事例の蓄積と検証を重ねながら、ケースバイケースで判断していくことになりそうです。紙幅も尽きましたので、これらの問題につきましては、別の機会に稿を改めることにしたいと思います。
最後に、弊所では、引き続き最適な出願提案ができるよう、ハーグ制度に関する情報収集と検討に努めてまいります。ハーグ制度にご関心がありましたら、是非弊所までお問い合わせください。