米国連邦巡回区控訴裁判所 ピクセル化された商標「.SUCKS」は商標の機能を欠くと判断
2022年2月10日
米国特許弁護士 マイケル・ピストリオ
不服申立人:Vox Populi Registry Ltd. (連邦巡回区控訴裁判所 2021-1496)
2022年2月2日、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は、レトロにピクセル化された文字商標は商標の機能の基準を満たさない、との米国特許商標庁(USPTO)の判断を支持し、不服申立人であるVox Populi Registryの申立てを却下しました。
Voxはウェブサイトのトップレベルドメイン「.SUCKS」の事業者であり、ドメイン名登録サービスに関する区分においてデザイン化された商標を出願しましたが、出願はUSPTOにより拒絶されました。
サービスマークは「その者のサービスを特定し、それを他人のサービスから識別し、また、そのサービスの出所を表示する」ために機能するものでなければならない(15 U.S.C. §1127)とされています。本件においてCAFCは、「消費者は、当該商標を、商標というよりも、出所のないドメインネームの一部を識別するものとみなす…」とのUSPTOの判断を支持しました。すなわち、「.SUCKS」は、クリエイティブなドメインネームの市場の人々にとって、商品そのものであるように受け取られるものの、「.SUCKS」のウェブ・アドレスの出所識別標識とはとらえられていません。CAFCは、顧客が出所識別標識として.SUCKS を見たか否かを示さないとして、顧客により .SUCKS ドメインネームが購入されたことを示す記録に特に影響されませんでした。更に、CAFCは、デザインがピクセル化されたことに関して、「独自の商取引上の印象」を与えるとは判断しませんでした。