米国知財 動画配信セミナー2020 (2020年11月開催)より 「特許適格性に関する米国最高裁判決と 病気の診断方法特許の現状」
(パテントメディア2021年5月発行第121号掲載)
国際法務部 米国特許弁護士 マイケル ピストリオ
2020年11月に開催した、弊所主催の米国知財動画配信セミナー2020では、最近の判例を用いて、米国の知財動向を全3回にわたり講義しました。本稿ではその中から、「特許適格性に関する米国最高裁判決と病気の診断方法特許の現状」と題した第1回目の講義内容をご紹介いたします。
診断に関する特許とは何か?
診断特許とは、一般的に、医療分野における診断特許のことですが、自動車の故障診断を意味することもあります。診断に関する発明は一般に、一定の環境下でインビトロアッセイ、医療機器や試薬技術を用いて、医師の診断結果を得るものです。このような診断では、患者から血液や生体を採取し、それを実験設備で分析し、その結果から医師が診察の結論を導き出して治療方法を決めます。試験結果から導き出される結論は、薬の投与量や、患者が病気を患っているか否かの判断を含むでしょう。2016年における全世界の診断関連技術の市場規模は約400億ドルから450億ドルの価値がありました。しかも、コロナウイルスなどのように世界中に感染症が蔓延している昨今においては、診断特許がもつ潜在的な市場価値は急速に拡大しています。臨床判断の66%は、インビトロ診断試験に基づいており、金額ベースで考えても、このテクノロジーは非常に重要だと言えるでしょう。
価値の高いものが特許権で保護されるというのは、そもそも特許の存在する意味そのものです。企業は莫大な資金を研究開発に投じ、これが産業の発展に寄与します。このような投資を特許は守ります。診断分野においても、医薬品メーカや医療器具メーカは、研究開発に膨大な金額を投資しますので、特許は極めて重要なものです。
Mayo v. Prometheus事件の背景
Mayo判決があった2012年より前の状況を説明します。2010年に米国最高裁判所は、Bilski v. Kappos事件を審理しました。この事件は後のMayo判決に影響を及ぼします。
Bilski v. Kappos事件における最高裁判所での争点は、プロセス(方法)について、その特許適格性を判断する場合の基準が「機械または変換」のみであるか、でした。発明が米国特許法第101条に規定されている特許適格性を有しているかを判断するのに、当時「機械または変換」基準が用いられていました。尚、この事件は診断に関連するものではありません。この事件は抽象的な投資方法に関するものであって、一つのセグメントでの投資リスクを回避するため、他のセグメントに投資するというものでした。最高裁判所の下した判決は、この抽象的な投資方法が、米国特許法第101条に基づいて特許できる発明でないとするものでした。特許可能となるには、プロセスは(1)機械または装置に関連していること、または、(2)物品を別の状態または別の物に変換していること、が必要であると判断されました。この事件では、プロセスは機械または装置に十分関連しておらず、そのデータも別の状態や別の物に変換されていないとみなされました。しかしながら、注目すべきことに、裁判所は、プロセスの特許適格性を判断する基準が「機械または変換」の一つだけでないものの、この基準が適格性を判断するのに重要な「ヒント」となり得ると述べました。これを診断特許に適用しましょう。前述のように、多くの診断方法は、結論を導き出すのに、自然に起きる相関関係のある効果を利用します。例えば、人体の自然なプロセスを利用してある化合物を代謝させ、患者の血液中にある代謝物の量を確認して最適な治療方法を決定することは、人体がその化合物に対してどのように自然反応するかに関係しています。代謝物と最適治療との相互関係も自然なプロセスとなります。自然なプロセス、つまり、「自然法則」は、機械または装置でないため、米国特許法101条に基づく特許としての適格性を有しないこととなります。このことは、本稿において重要な点となります。
Mayo v. Prometheus事件の概要
チオプリンは、クローン病などの免疫系機能不全による消化器疾患の治療に使用される薬です。
世界では何百万もの人が、この慢性的で生涯続くクローン病を患っています。その症状としては、腹痛、激しい下痢、発熱、腹部膨満、体重減があります。チオプリンはクローン病の症状に有効に対処でき、この他にも、世界で更に何百万もの人が患っている炎症性腸疾患の治療にも有効です。しかしながら、チオプリンの投与にはいくらかリスクがあります。
チオプリンの有効性及び毒性はいくつかの要素により左右され、患者ごとに異なります。治療に先立ち、医師が知らない要素や発見できない要素もあります。通常、医師は試験的な量のチオプリンを投与しながら、患者にとって有効性が最も高い投与量、つまり、毒性となる手前の投与量を探ります。このように、医師は試験的な投与をした後に、特定の生体特性を検査することで、各患者の最適な投与量を決めます。(図1)
図1 チオプリンの試験的投与の流れ
(“González-Lama Y, Gisbert JPMonitoring thiopurine metabolites in inflammatory bowel disease, Frontline Gastroenterology 2016;7:301-307.)
Prometheus社は、患者の血液中のチオプリンの代謝物を測定する方法の特許をライセンス契約し、その方法に基づくキットを作成しました。このキットは医師や病院に購入されました。基本的に、キットが使用されると、それはPrometheus社に送り返され、Prometheus社が患者にとって最適の投与量を計算します。Mayo Clinic社は世界の中でも最先端の病院や医療センターの一つです。医師達はPrometheus社のキットを購入し、それをしばらくの間、問題なく使っていました。しかし、医師や保険会社はキットが高額であることに不満を持っていました。そこでMayo Clinic社の医師や研究者は、医師達が患者の代謝物を調べるために以前使っていた方法及びPrometheus社のキットにあった簡単な器具を用いて、リバースエンジニアリングに成功しました。そして、Mayo Clinic社はキットの購入をやめました。このことをPrometheus社が知ると、Prometheus社はMayo社を特許侵害で訴えました。抗弁として、Mayo社は、特許された発明が自然法則に関わるものであって、医師の判断も自然法則に関わるため、米国特許法第101条に規定された特許適格性を有しないと主張しました。Mayo社は、患者への適切な投与量を決めるために使用したキットやそのキットを使用した方法が自然の法則や結論であって、特許適格性の要件となる「機械または変換」はない、と主張しました。
この事件は、まず、連邦地方裁判所で審理され、連邦判事は、Mayo社の主張を認めました。判事は、Prometheus社の特許が第101条により特許不適格である、つまり、自然法則とその自然法則に基づく医師の判断のみを含むとしました。また、医師の判断には、別の状態または別の物への「変換」がないとみなされました。加えて、プロセスがクレームされていたので、機械にも関連しないとみなされました。Prometheus社は、この判決を不服として連邦巡回控訴裁判所に控訴しました。連邦巡回控訴裁判所は特殊な控訴審であり、知財事件の審理を専門としています。巡回控訴裁判所は、チオプリン自体が人体の化学的性質を「変換」していると判断しました。この人体の化学的性質の変換は、自然なプロセス以上のものであって、特許された方法を使って始まるものです。つまり、人体の化学的性質の変換は、チオプリンの試験的投与から始まります。「人体の化学的性質の変換」がPrometheus社の方法から有益な結果を生み出し、医師は、この結果を利用して臨床的な判断を下します。このことにより、巡回控訴裁判所は、第101条の「機械または変換」基準が満たされていると判断しました。
ここで、Prometheus社のように診断を提供する企業や、患者が最適の治療を受けられるよう努力している医師にとって、この事件がどのような意味を持っているかを説明します。前述のように、特許は投資を保護する役割を担っており、企業にとって投資の恩恵が特許の取得となります。特許は市場の成長を促し、特許を認めなければ診断分野におけるイノベーションは停滞するかもしれません。一方、医師は、診断特許が付与されれば、医師自身が方法特許を侵害することとなるため、日常的に行っている診断を中止せざるを得ません。よって、特許の付与は、自然に発生する効果や医師の日常的な判断に対して不当な独占権を診断企業に与えることとなる、と考えています。
では、米国最高裁判所はこの事件に対して、どのような判決を下したのでしょうか。米国最高裁判所は、「方法に向けられた特許が、自然法則に加えて、該当する分野の科学者が過去に実施し、よく理解された日常的な従来の手順のみを含む場合、その特許は自然法則であるから無効である」と判断しました。これが何を意味するか説明します。
米国最高裁判所は、クレームが有効であるかを判断するための2部構成基準を示しました。皆様の多くが耳にしている「Alice/Mayoテスト(基準)」は、ここからきています。(図2)
図2特許適格性のテスト
(米国特許商標庁(USPTO)2014年12月公表の暫定ガイダンスより)
ステップ1は、従来からある基準で、発明の適格性を規定する米国特許法第101条の文言そのものです。つまり、ステップ1は、クレームが「方法、装置、製造物、組成物のいずれか」に関するものか、です。イエスの場合、次のステップに進みます。クレームは有効な発明である、つまり、米国特許法第101条で規定する特許可能な発明です。ノーの場合、発明は特許不適格とされ、分析はここで終わります。
ステップ2はパートAおよびパートBの2部からなります。
ステップ2のパートAは、パート2Aとも呼ばれ、自然法則または自然現象がクレームに示されている場合、それを特定します。後に説明しますが、皆様の多くがご存じのように、パート2Aは、従前より特許不適格とされた他の発明分野(抽象的なアイデア等)を含むように拡張されました。自然法則または自然現象が特定されない場合、クレームは特許適格性を有しますので、分析はここで終わります。自然法則または自然現象が特定された場合、ステップ2のパートBに進みます。これは、米国特許法第101条に規定する特許適格性を決める最後の段階です。
ステップ2パートBでは、米国最高裁判所の判決によれば、クレームの残りの部分が自然法則または自然現象に対して、何か「顕著な付加要素(*)」が追加されているか判断されます。「顕著な付加要素」が認められれば、別の状態または別の物への「変換」が認められたことになります。「顕著な付加要素」が追加されていれば、特許可能な発明となります。「顕著な付加要素」が追加されていない場合、クレームは適格性のない発明として拒絶されます。
*顕著な付加要素(significantly more)=本来は発明適格性を持たない判例上の例外(抽象的概念、自然法則または自然現象)に発明適格性を付与する特徴的な要素
Mayo事件に戻ります。この事件を例にして基準をどのように用いるか説明します。理解しやすいように、まず、結論を説明します。最高裁は、Prometheus社の方法は二部構成基準によって特許不適格であると判断しました。前述のように、この二部構成基準は、今ではAlice/Mayo基準と呼ばれています。Step1では、主題が方法に向けられています。Prometheus社はその方法に対して特許を付与されていますので、米国特許第101条に規定する適格性のある発明であるといえるでしょう。よって、ステップ2に進みます。ステップ2のパートAでは、方法が「自然法則」に基づいているかを判断します。試験的な投与量と代謝物は、人体の自然現象の一部となります。そこで、ステップ2のパートBに進み、クレームの残りの部分が「顕著な付加要素」を記載しているかを判断します。「顕著な付加要素」が記載されていれば、発明は特許適格性を有することとなります。最高裁判所は、Prometheus社の発明をここで特許不適格と判断し、ある投与量に対する患者の反応において観察された化学変換に自然法則を適用するよう医師に単に指示することは、「顕著な付加要素」でないとしました。このことは「apply it(適用)」として知られるようになりました。つまり、方法が不適格な発明であって、この他に唯一することがそれを「適用する」ことであれば、これは、「変換」につながる「顕著な付加要素」として不十分です。注目すべきことに、最高裁判所は、本判決がイノベーションを阻害する可能性があることを認めています。しかし、立法府の議員がこの分野でイノベーションを促進したければ、法律を変更する必要があることを示唆しました。この判決は医療診断関連分野で多くの中小企業に悪影響を与えました。
Alice事件以降の二部構成基準
さて、Mayo事件から離れて、特許業界や法律がこの診断特許に関連する事件を機にどのように進化したかを説明します。前述のように、Mayoの二部構成基準はAlice Corp v. CLS Bank International事件(2014年)のコンピュータプログラムに関する「抽象的なアイデア」を含むように拡張されました。発明の適格性を判断する基準は、現在、「Alice/Mayo基準」と呼ばれています。
以下、最近の判例について解説します。
Ariosa Diagnostics, Inc. v. Sequenom, Inc.事件
(2015年)
2015年のAriosa v. Sequenom事件では、連邦巡回控訴裁判所において、胎児異常の出生前診断に関する極めて貴重な特許が争点となりました。この特許では、より安全で侵襲性のより低い胎児異常の診断を行うために、周知技術を用いて母体血漿で発生するcffDNA(無細胞胎児DNA)を増幅する試験が実施されます。この試験は従来のものより、侵襲性が低く、実施が簡単になりました。胎児や母体にとってもリスクが軽減されました。しかしながら、Alice/Mayo基準に照らし合わせた結果、特許不適合と判断されました。発明者はcffDNAと出生異常の相関関係を発見したものの、裁判所は、これが「自然法則」であって自然法則の「適用」以外に何も行われていないと判断し、基準のパート2Bを満たすことができませんでした。注目すべきことに、批判的な反対意見をもつ判事もいて、「自然法則」のみを分析した後に「他の構成要件」のみを分析することは、請求項を「個々の構成要件として」でなく「全体として」分析すべきという米国特許法の重要な教義に沿っていないと述べています。
第101条に規定される特許適格性を判断する際、請求項は全体として考慮すべきという反対意見について、多くの特許実務家と米国特許庁も同意しています。米国特許庁が審査官に示した2019年の審査基準によれば、ステップ2Aにおいて、自然法則、自然現象、抽象的なアイデアがあるか分析する際、請求項は全体として検討すべきであり、自然法則・自然現象・抽象的アイデアは請求項の付帯的要素ではなく「有意義な限定」とする必要があるとしています。ただし、この指針は、米国特許庁の審査官向けであり、連邦巡回控訴裁判所が実際にこれを認めるかは、まだ定かではありません。
Cleveland Clinic Found. v. True Health Diagnostics LLC事件
(2017年)
Ariosa事件の後、第101条に規定する特許適格性を有さない医療診断特許の判決が、次々と出ています。
例えば、2017年のCleveland Clinic Found. v. True Health Diagnostics LLC事件では、アデローム性動脈硬化性心血管疾患(CVD)のリスクを血中蛋白質レベルの上昇とCVDの発生との相関関係に基づいて診断する方法が、特許適格性を有さないとの判決が下されました。このような特許は大変価値の高いものです。CVDは世界中で最も高い死因で、心臓発作や脳卒中を含みます。年間合計1800万人がCVDにより死亡し、このうち3分の1が70歳未満です。残念ながら、連邦巡回控訴裁判所は、本発明が「自然現象で始まり、自然現象で終わり、有意義で非定型的なステップをその間に含まない」と判断しました。つまり、発明は、特許可能な発明となる変換につながる、何か「顕著な付加要素」を自然現象に追加していませんでした。
Athena Diagnostics v. Mayo Collaborative Services事件
(2019年)
Alice事件とMayo事件の後、連邦巡回控訴裁判所は、いくつかの事件で、抽象的なアイデアは「顕著な付加要素」を有すると判断しました。しかし、これらの事件は、抽象的なアイデアに関するものであって、自然現象に関するものではありませんでした。Enfish, LLC v. Microsoft Corp.事件(2016年)では、連邦巡回控訴裁判所は、「コンピューターが稼働する方法の特定の改善に関連する」クレームが「顕著な付加要素」に相当すると述べました。同様のMcRO, Inc. v. Bandai Namco Games America Inc.事件(2016年)では、連邦巡回控訴裁判所は、「既存の手動3Dアニメーション技術に対する技術的改良」が特許適格性を有する程度の「顕著な付加要素」となると判断しました。ただし、これらの例外は、未だに医療診断の特許には適用されていません。
たとえば、2019年の事件であるAthena Diagnostics v. Mayo Collaborative Servicesにおいては、病気と亜集団でのみ見られる特定の自己抗体との相関関係に基づきその亜集団の病気を診断する方法は、特許適格性がないとして判断されました。連邦巡回控訴裁判所はこれらの事件にうんざりしており、「最高裁判所は、Mayo事件において、生物学的物質の存在と病気との相関関係は自然の法則であると事実上私たちに告げた」と述べました。また、診断事件はEnfish事件やMcRO事件とは異なる。なぜなら「医療診断方法は、根底にある自然法則や現象に非常に密接に結びついているからだ」と述べました。最後に、裁判所は、これらの特許は、イノベーションを促すための公衆に対する価値からすると、特許適格性を有するべきであると考えているが、現在のところ、Alice/Mayoの枠組みの下では特許性を有しないと繰り返し述べました。事件は最高裁判所に上訴されましたが、最高裁判所はこれを却下し審理しませんでした。このことは、Alice/Mayoテストの現在の解釈は、当分、確定した路線であることを意味します。
Cleveland Clinic Found v. True Health Diagnostics LLC事件
(2019年)
その後、連邦裁判所は、Cleveland Clinic Found v. True Health Diagnostics LLCの別の2019年の事件において、医療診断事件における裁判所の決定をさらに定着させました。血中にあるMPOレベルの上昇を特定する方法は、診断工程や相関工程がないため、特許可能であるとする主張がなされました。この診断工程や相関工程が「適用」される部分に相当し、それまでの診断特許で致命的な欠陥となっていました。クレームは不適格な概念を記載していないため、自然法則に関するものではないという主張がなされました。しかし、この主張は単なる言葉の綾として却下され、いずれにしても自然法則に関する不適格な発明の対象であると判断されました。
診断特許の今後
今後、診断特許は米国でどう扱われるでしょうか。もうお解かりのとおり、医療診断方法は、ほとんどが特許不適格な発明とされているため、特許取得は非常に困難になると思われます。さらに、最高裁判所はAthena事件の上訴を却下したので、診断方法に関する発明の特許を取得するためには、法改正が必要になるでしょう。
この点、2018年と2019年に、2つの大きな米国の知的財産関連団体によって法改正が提案され、診断(自然法則・自然現象)とソフトウェア(通常、抽象的なアイデアに関する)の特許適格性を回復が図られました。しかし、驚くことに、この努力はこれまでのところ報われていません。これは主に、ハイテクや医療関連の大手企業が法改正の取り組みへの参加や支持を拒否しているからです。2020年の初めには、国会議員が医療診断方法特許を「緊急に検討する」フォーラムがありましたが、最初の会期後に何も動きがありませんでした。
これはなぜでしょうか?ハイテクや医療関連の大手企業はなぜ発明を保護したくないのでしょうか?多くの専門家の意見によれば、大手のハイテク企業や医療企業は、中小企業の開発成果を模倣することがよくあります。大手企業は分析能力やキット・材料の調達能力が高いため、模倣により少ない努力で多く稼ぐことができます。このため、中小企業に特許を付与して保護すれば、大手企業に対する影響が大きく、最終的に大手企業が損をすることに繋がります。したがって、米国における診断方法特許の将来は不透明です。しかし、大手企業が医療診断の研究に成功し、市場で成果を収めることができれば、特に、現在のようにコロナウイルス感染が拡大している状況下では、変化が起きるかもしれません。ただし、診断方法の模倣が、大手企業にとって有益であり続ける以上、診断方法の発明は今後も特許適格性を有さない状況が続くでしょう。