2020.03.09
第53・54回活動テーマ
第53回活動テーマ(抜粋)
外内分割出願の戦略的利用 (国際事業部)
2009年4月の法改正により出願の分割について、出願した発明が拒絶査定となった場合に、査定後一定期間は拒絶査定不服審判の請求と同時でなくても出願の分割ができるようになりました。 これを戦略的に活用する国内企業が増えてきましたが、外国企業には浸透していません。そこで、分割が可能なタイミングをフロー図にまとめて外国企業に説明しました。同時に効果的な分割方法を提案できるようにレターひな形を整備。個々の担当者による提案の質のバラツキをなくしました。外国企業が日本国内において戦略的に出願の分割ができるようになりました。
S社様の技術勉強会(国内特許第2部)
S社様から出願依頼を増やしていただけたので、その分野に対する知識を持った担当者の増員と品質向上を目指して勉強会を行いました。 まずは、S社様の主要技術に関する公報を複数件選定し、各公報の解説担当者を分担しました。解説担当者は、わからない箇所を調べながら公報を読み込み個人のスキルアップに努めました。その後、担当者が学んだ技術を他のメンバーに解説する方法でメンバー全員のスキルアップを図りました。 今後もS社様の技術を積極的に学び、特許明細書の品質向上に努めます。
食品の用途発明の研究 (国内特許第3部)
2016年4月1日に「食品の用途発明」について、審査基準が改訂されました。メンバーの1名が特許庁主催の説明会に参加したものの、十分に理解できたとはいえず、食品関係のお客様にご提案できる状態ではありません。
そこで、食品の用途発明について、新規に出願するケースとすでに出願済みで継続中の案件を補正するケースを想定して、お客様にご提案できるスキルを身につけるための活動を行いました。
まずは、説明会で配布された資料を元に解説書を作成しました。
その後、継続中の案件について食品の用途発明への補正を試みました。
継続中の案件を食品の用途発明に補正することが可能だとわかったので、機能性表示食品制度との関連性に着目しながら、食品の用途発明がどのように活用できるかを検討し、メンバーのスキルアップに努めました。 今後は、機能性表示食品制度と合わせてお客様にご提案できるように、事例を検討していきます。
いつでもどこでもオンダ品質を提供しよう(意匠部)
意匠部10名は、東京・大阪・岐阜オフィスに分散しており、拠点ごとに作業方法が異なっていました。また、拠点間の情報共有に手間がかかっていたため活動することにしました。 情報共有を図るためメールやIP電話の利用ルールを決めました。作成する書類のフォーマットを作り、どの拠点からでも利用できるようにしました。さらにシステム開発部の協力によって見積書自動作成システムを構築しました。どの拠点からでも同一の見積書が作成できるようになりました。
第54回活動テーマ(抜粋)
CADデータの容量削減 (図面部)
特許や意匠の出願は、申請書類と一緒に図面を添付して特許庁へ提出します。図面部では、その出願に必要な図面を専門的に作成しています。
年々図面データが増える中、3次元CADの導入により図面データ容量の増加は加速し、所内サーバの1/3を図面部が使用するという状況になってしまいました。今回の活動では、近年増加傾向の「外国企業が日本に出願」する際に作成する図面のデータ容量の削減に挑戦しました。容量の大きいイメージデータについては、容量が軽くなるデータ形式を追求し保存方法をルール化しました。その結果、大幅な容量削減を実現するとともに、ルールの継続状況を毎年確認することにしました。
外国出願に関連する知識・サービスの向上 (国内特許第9部)
国内特許部では、主に国内のお客様を対象として、国内特許出願に必要な書類を作成しています。国内特許部で作成した出願書類に基づいて外国出願をする場合、日本語特有の表現を修正する「和文調整」をした後、英語等に翻訳します。「和文調整」や翻訳は国際特許部が担当しますが、外国出願の知識を持って日本語の書類を作成すれば、後の翻訳がしやすくなります。今回は、今後さらに必要となるであろう外国出願に関連する知識・サービスの向上を目指して活動しました。 外国出願に関して新たに調べた情報を、既存の情報と合わせて整理し一元化するとともに、チェックツールを作成することで翻訳しやすい明細書が作成できるようになりました。これにより、「和文調整」にかかる時間が削減できるようになります。
Big Data最大活用!No Copy, No Paste!~ちょこっとAi~ (国際管理部 外内グループ)
国際管理部外内グループは、外国のお客様が日本で特許を取得される際の事務処理全般を担当しています。 外国語の願書を日本語に訳す際、発明者の氏名など同一スペルでも英語と独語で読み方の異なるケースなどがあり、従来からグループの課題となっていました。そこで、過去の願書から発明者や出願人の氏名・住所・企業名等を抽出してデータベースを構築することにしました。 願書の翻訳を自動化するためには膨大なデータの登録が必要ですが、メンバー全員で分担して登録作業をしました。未だ全ての登録が終わっていませんが、システムが完成すれば、願書の翻訳作業が大幅に効率化されることになります。
データ納品業務の効率化! (国内管理部)
国内管理部は、特許権を取得する際や、特許権取得後の権利維持のために必要となる特許庁への手続きを、お客様の代わりに行っています。 特許庁とのやりとりは専用の電子端末機を用いてオンラインで行われるため、特許庁から送信される通知をお客様に提供する必要があります。
その方法は、CD-ROMに保存して郵送、メールに添付して送信、お客様ご指定のオンラインシステムにて通知など様々ですが、現在ではデータ提供を希望されるお客様が251社にもなり、作業が煩雑になっていました。さらに、CD-ROMを郵送しているお客様から、不要になったCD-ROMの扱いに困っているとの情報もあり、クラウドを使った新しいデータ納品方法を検討することにしました。クラウドサービスを実施している業者のサービス内容や機能、価格を比較して、当所の条件に合う1社と契約しました。そして、CD-ROMやメールで送信していたお客様に直接ご要望等をお伺いしながら運用ルールを決めました。お客様ごとにIDやパスワードを設定してセキュリティー対策を行い、無料でご利用いただけるシステムが完成しました。
国内管理部の作業が効率化しただけでなく、お客様にとってもデータの受信が簡易化し、不要なCD-ROMもなくなり、喜んでいただける活動となりました。