中国における実用新案、意匠出願について|オンダ国際特許事務所

中国における実用新案、意匠出願について|オンダ国際特許事務所

実用新案、意匠出願から権利満了の流れ

実用新案、意匠出願から権利満了の流れ

実用新案制度

権利行使

中国実用新案の権利行使においては、警告の際に実用新案技術評価書を提示する必要がない。
専利権無効宣告が確定した場合、専利権侵害賠償金、専利実施費、専利譲渡費は返金しない、明らかに公平原則を違反したものについては全額或いは一部を返金しなければならない(専利法第47条第2項)。

中国専利法第47条2項

専利権無効宣告の決定は、専利権無効宣告の前に人民法院が下し、かつすでに執行された専利権侵害の判決及び調停書、すでに履行又は強制執行された専利権侵害紛争の処理決定、及びすでに履行された専利実施許諾契約又は専利譲渡契約に対して、遡及力を持たないものとする。ただし、専利権者の悪意により他者に損失をもたらした場合は、賠償しなければならない。

技術評価書の請求人資格

専利権者又は利害関係者ではない場合は、専利権評価報告書の請求が未提出とみなす。
実用新案又は意匠が複数の専利権者に属している場合は、請求人は一部の専利権者であってもよい。

実施細則第56条

実用新案権又は意匠権の付与決定が公告された後、専利法第六十条に規定される専利権者又は利害関係者は専利権評価報告書の作成を国務院特許行政部門に請求することができる。

審査指南第五部分第十章2.2

利害関係人とは、例えば専利実施独占許諾契約の被許諾人、専利権者に起訴権を付与された専利実施一般許諾契約の被許諾人など、専利法第60条の規定に基づいて専利権侵害係争について人民法院に提訴をし、又は専利業務を管理する部門に処理を請求する権利を有するものをいう。

実用新案・特許 同日出願

同一発明に対して特許及び実用新案の両方を出願するメリット

実用新案出願は、実態審査は行われないので権利付与が早く、創造性の要求基準がそれほど高くない。よって、実用新案出願をうまく利用することで、市場寿命が短く技術開発が速い製品を迅速かつ有効に保護することができる。

すなわち、実用新案の権利付与が速いという特徴を活用し、この権利をもって市場に出回る侵害製品を早期に差し止めることができます(仮処分の請求を含む)。
つまり、特許出願と実用新案出願をともに提出することによって、先に取得した実用新案権をもって早期に権利行使することができ、後で取得する特許権をもって長期間(特許存続期間の20年)発明を独占できる。

また、実用新案出願の出願費用と年金は比較的高くなく、特許出願と同時に実用新案出願を提出することは、それほど出願費用を増加させない。また、実用新案の調査報告書の請求費用は特許出願の実体審査の請求費用よりも低い。

実用新案・特許 同日出願の流れ

実用新案・特許 同日出願の流れ

※1 パリ条約ルートの中国出願の場合は実用新案・特許の同日出願が可能だが、PCTルートの場合は実用新案・特許の同日出願ができない。

※2 法律上、特許と実用新案は両方権利として存在できない。特許出願に対して特許権を付与しようとするとき、出願人には、実用新案権と特許権のどちらか一方を選択する権利が与えられ、先に登録された実用新案権を放棄すれば、特許権が付与される。