外国商標事始め
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その3 商標登録を取得することのメリット

2008.3.31

商標登録を取得することのメリットを考えてみましょう。特に、使用により商標権が発生する使用主義国では、登録制度の意義は一体どこにあるのでしょうか。

使用主義国であるアメリカでは、商標登録がなくても最先使用の事実に基づいて商標権の主張や行使が可能です。しかし、そのためには、自ら商標使用の事実やその地域的範囲を立証しなければなりません。一方、連邦商標登録を取得すれば、アメリカ全土において有効な商標権があると推定され、商標の使用が擬制されるため、自ら権利の存在を立証する必要がなくなります。最先使用を主張する第三者に立証責任が転換されるのです。立証にかかる労力は相当なものですから、このメリットは大きいと言えるでしょう。さらに、商標登録後、継続的に商標を使用し5年が経過すると、第三者は最先使用の事実に基づいて当該登録の有効性を争うことができなくなります。商標権についての一応のお墨付きでしかなかった商標登録が、継続的使用を条件により確固たるものになるのです。

登録主義国では、商標登録を取得すればその範囲で商標権が発生しますが、実際に商標の使用をしているかどうかは商標登録の要件ではありませんので、その特徴を生かした商標登録の戦略的取得が可能です。つまり、よい商標を第三者に先に登録されてしまわないように、いわゆるストック商標として予め登録しておいたり、将来の事業拡大を見越して、実際の取り扱い商品・サービスよりも広い範囲で登録しておいたりすることが可能です(一定期間の商標の不使用を理由に登録を取消されるリスクには注意が必要です)。もっとも、登録主義国では、商標登録が消滅すれば商標権も原則消滅することに気を付けなければいけません。更新手続きや、その他登録維持のために必要な手続きを怠らないようにしましょう。

使用主義国か登録主義国を問わず、商標登録を取得すると、商標と商標登録表示(Rマーク等)を一緒に商品に付すことが可能になります。積極的に権利をアピールしていくことで、第三者の同一・類似商標の採択・使用を牽制し、商標のブランドとしての価値・認知度を高める効果が得られます。さらに、登録商標は各国税関に届出ができますので、模倣品の水際取締まりも可能になります。次回、その4では、商標権の活用と注意点について考えてみたいと思います。